土木学会論文集
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2000 巻, 640 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 高田 至郎
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 1-18
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 袁 鴻, 呉 智深
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 19-31
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    き裂先端における詳細な応力・変位場を解析せず, 一般的な弾性力学的梁の曲げ理論によって, 積層接着界面き裂先端のエネルギ解放率を計算する陽的算定式を導いた. また, エネルギ解放串を mode Iおよび mode IIの二つの成分に分解し, 積層接着界面の剥離特性に関する検討を行った. さらに, 理論解析手法は異なる構造材の積層複合構造に適用されていることから, 鋼板や連続繊維シートによって補強されたコンクリート構造物の界面き裂のエネルギ解放率の算定に応用され, その有効性が検討された.
  • 蒋 通, 栗林 栄一
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 33-38
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文で応答変位法に基づいて, 可とう性継ぎ手を有する埋設管路耐震設計の新しい断面力設計式を提案した. 可とう性継ぎ手の存在による管路断面力低減係数の算定法について, 新設計式は既存の耐震設計法等の設計式に比べて簡単である. また, 共同溝耐震設計要領による断面力低減係数の簡易算定式は, 簡易式の回帰分析のパラメーター範囲では本論文で提案した厳密式とよく一致するが, その範囲を超えると, かなりの差が見られる. 本論文はまた地震時に生じる不等沈下による可とう性継ぎ手を有する埋設管路の断面力設計式および継ぎ手部分に生じる回転とせん断変位の算定方法を誘導し, その試算例を示した.
  • 臼木 恒雄
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 39-48
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    簡明な理論でありながら種々の構造系および荷重系に適用可能な Mindlin の動的板曲げ理論の第2次の位相速度曲線は高周波領域で Rayleigh-Lamb の弾性論解と大きく乖離する弱点をもつ. 本報告では, みかけの弾性係数および断面諸量を周波数の関数とすることでこの問題点を解決できることを示し, あわせて静的問題, 低周波領域から高周波領域までの動的問題を扱える支配方程式を作成した. 理論展開は仮想変位の原理を用い, せん断修正係数をこの理論の流れに整合する形で与えた. また, 変位の合成成分を用いることで, Rayleigh 表面波, Love 表面波あるいは Rayleigh-Lamb 板波などの弾性論の著名な位相速度方程式に対応する Mindlin 板の位相速度方程式を与えている.
  • 亀井 義典, 松野 正見, 西村 宣男
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 49-60
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    多列高力ボルト摩擦接合引張継手は, 経験的にすべり強度が低減することが知られており, 規準 (ISO/TC 167/SC1) では多列化に伴う強度低減に対して, 強度低減係数を規定している. しかし, 我が国の設計規準では, 明確な考慮はなされておらず, 多列継手のすべり強度をパラメトリックに評価した研究は報告されていない. 本論文では, 高力ボルト摩擦接合継手を対象に, ボルト列数, ボルト間隔, 母材および添接板の降伏強度, すべり強度をパラメータとして弾塑性有限変位解析を行った. そして, これらの諸元がすべり強度に対して与える影響およびすべり強度低減のメカニズムについて考察を行った. また, 公称値より低減を必要とする継手範囲についての検討, 強度低減係数の提案を目的とする.
  • 栗栖 宏充, 本間 弘一, 瀬古沢 照治, 福原 雅之, 福島 学
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 61-69
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年の相次ぐ災害を契機に, ライフラインの地震被害をリアルタイムに予測するための様々なシステムが開発されている. しかしその多くは, 直後の物理的被害を予測するに留まり, その後入手できる新しい情報を反映して予測を更新したり, 機能的障害を予測するまでには至っていない. 供給継続が強く求められる水道については, そういった機能への必要性が高い.
    阪神・淡路大震災下では, 流量と水圧というプロセス情報が, 水供給の重要な判断材料の一つとして役立っていたという現実を踏まえ, この情報を積極的に予測方法に取り入れることを試みた. これにより, 水道における機能障害である断水のリアルタイム予測をシミュレートし, その実用性について検討した.
  • 藤倉 修一, 川島 一彦, 庄司 学, 張 建東, 武村 浩志
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 71-88
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, インターロッキング式に帯鉄筋を配置した小判型鉄筋コンクリート橋脚の橋軸方向の耐震性を中間帯鉄筋を配置したほぼ同寸法の鉄筋コンクリート橋脚との比較に重点を置いて実験的に検討した結果である. 本研究の結果, インターロッキング式に帯鉄筋を配置した場合には, 中間帯鉄筋を配置した場合と同等の耐力, 変形性能を有すること, 塑性変形性能の発揮の仕方はインターロッキング式帯鉄筋と中間帯鉄筋では同じではなく, インターロッキング式橋脚では中間帯鉄筋を有する橋脚に比較して, 塑性ヒンジ長は短いがその範囲では曲率が大きいことが明らかとなった. また, 道路橋示方書に基づく終局変位の推定法や既往の代表的な5種類のせん断耐力推定式の適用性を検討した.
  • 竹宮 宏和, 合田 和哉
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 89-98
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 運動学的断層破壊過程 (ディスロケーション) において, 破壊の進行性と各破壊点での震源関数を導入した断層地震動の発生・伝播シミュレーション手法を開発した. 使用したグリーン関数は薄層要素法による定式化を経て, 空間に関するフーリエ変換, 時間に関するラプラス変換を用いた波数・時間領域の準解析解であり, 破壊の遷移性に関する合積分は解析的に, 進行性には離散化合積分から効率的に対処した. 本手法の特徴は, 地震の発生機構において, ハスケルモデルおよび応力降下 (コストロフ) モデルを容易に適用できることである. 数値解析例において, 断層近傍地盤における地震波のシミュレーション精度の検討を行った.
  • 高田 至郎, 尾崎 竜三
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 99-108
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では地震時に地盤内で発生する過剰間隙水圧を直接測定する間隙水圧計や液状化センサーの代わりに地表面で観測される強震記録より当該地点での液状化の発生状況を把握する手法について検討した. 1995年兵庫県南部地震の際ポートアイランドでは液状化の発生に起因すると考えられる非線形特性 (長周期化) を含む波形が得られた. 液状化地盤におけるこのような波形の長周期化に注目し, 地震時に地表面で得られる加速度記録より Arias Intensity を算定し, 液状化発生の有無を判別する手法を提案した. また観測地点の地盤情報との関係を考慮して液状化の発生に関して領域分けを行うことができた. 液状化の領域分けと Arias Intensity を組み合わせることで液状化の発生をリアルタイムに考慮することが可能となった.
  • 高田 至郎, 尾崎 竜三
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 109-118
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は液状化モニタリングシステムの構築を目的としている. 地震後に得られる地表面最大加速度にもとづき, ボーリングデータ点で液状化判定を行う手法を提案した. 提案手法ではニューラルネットワークを用いており, 本研究での学習方法によれば良い精度で再現性が得られた. さらに具体的な市域を対象として想定地震による地震動強度の推定を行い, それにもとづいて液状化判定を行った. 判定結果の精度は妥当なものであると考えられる. またニューラルネットワークの特徴である知識更新機能により, 発生した地震による液状化発生に関する情報を即座にフィードバックできるシステムの構築が可能になった. それにより判定結果の精度は向上することが知られた.
  • 佐藤 忠信, 室野 剛隆, 西村 昭彦
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 119-130
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    構造物の耐震設計を行う上で, 地震動の設定は基本的かつ重要な課題である. 耐震設計用の入力地震動としての時刻歴波形を作成するためには, 振幅特性の他に位相特性を規定する必要がある. そこで, 本研究では, これまでに観測された地震記録に基づいて位相特性をモデル化するものである. ただし, 位相スペクトルを直接モデル化するのではなく, 位相スペクトルを角振動数で微分した群遅延時間をモデル化した. まず, ウェーブレット変換により地震波を各サポート区間ごとに分離し, 各サポート区間ごとに群遅延時間の平均値と分散を算定した. これを各地震記録に対して行い, 平均群遅延時間と分散群遅延時間をマグニチュードMと震央距離△の関数として回帰分析を行い, 設計に用いることができる位相のモデル化を行った.
  • 野田 茂, 盛川 仁, 山崎 文雄
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 131-147
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    最近, 基盤面における地震動指標値の空間分布を推定することが試みられている. その多くは確定的補間手法に基づくものであり, かつ地盤増幅度を確定的に取り扱っている. そこで本研究では, 確率地盤において地表面の最大地動と地盤増幅度の不確定性ならびに両者の相互相関性を考慮した上で, 基盤面における最大地動の空間分布を推定するために条件付対数正規確率場の理論式を誘導した. 異なる観測量間の相互相関性, 観測条件などが基盤地動の最適推定値, 推定誤差分散に及ぼす影響を理論的に検討するとともに, 一般解の性質に関して確率的に議論した. さらに距離減衰式と地盤増幅度のモデルを基にして単純な計算を実施した結果, 提案手法の有効性, 推定精度の意味, 事前情報の影響などが明らかになった.
  • 村田 清満, 山田 正人, 池田 学, 瀧口 将志, 渡邊 忠朋, 木下 雅敬
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 149-163
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリート充填円形鋼管柱の変形性能の定量評価に関する研究は, 土木分野においては極めて少ない. これまでに, 筆者らは, 模型試験体を用いた静的交番載荷実験を行い, 部材の耐力, および変形性能の評価法をすでに提案した. しかし, せん断スパン比が大きく, 地震時に軸力が変動する鉄道ラーメン高架橋の柱部材を想定した場合, 提案した耐力と変形性能の算定法の適用性を検証する必要がある. 本論文は, すでに実施した一連の静的交番載荷実験, およびせん断スパン比と変動軸力をパラメータとして実施した追加実験結果に基づき, 大規模地震によるコンクリート充填円形鋼管柱の損傷度に対応した変形量を部材角, および曲率を指標に再評価したものである.
  • 三木 千壽, 佐々木 栄一, 休場 裕子, 竹之井 勇
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 165-175
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 各種鋼材を対象に, 地震時に想定される10%を超える引張あるいは圧縮の塑性歪みを考慮し, CTOD試験により, 塑性歪み導入による破壊靭性の劣化について検討した. その結果, 塑性歪みにより全く脆化しない鋼材の存在が確認される一方で, それ以外の全ての種類の鋼材で, 歪み時効脆化する以前に, 塑性歪みそのものによって著しく脆化することが明らかとなった. その際, 塑性歪みによる脆化の程度は, 鋼材の種類によって大きく異なった. また, 圧縮予歪みの方が引張予歪みよりも鋼材をより脆化させる傾向があることが確認されたことから, その要因について, 材料特性面から検討を加えた.
  • 塩尻 弘雄, 上田 稔
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 177-192
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ダムの耐震性をより合理的に評価するには, ダムの動的挙動を正確に把握する必要がある. ダムの動的挙動が, 解析により十分な信頼度をもって把握できるかは, 実地震に対する応答シミュレーション解析を行って確認する必要がある. 本研究はダム-岩盤-貯水の連成モデルにより, 1995年兵庫県南部地震における一庫重力式コンクリートダムの地震観測記録のシミュレーション解析を行ったもので, 良好な結果を得ることができた. 実測値との対照により, 二次元, 三次元解析の適用性, 良好なシミュレーション解析を行うために必要なダム堤体, 岩盤の物性値等のモデリング法について考察を行う.
  • 年縄 巧, 西田 秀明, 翠川 三郎, 阿部 進
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 193-202
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 横浜市の高密度強震観測ネットワーク観測点150地点において観測された強震記録と常時微動記録から求めたスペクトル比の基本卓越周期とピーク値を比較した. 強震記録からは, 軟岩がほぼ露頭している5点の記録を用いた基準スペクトルに対する各地点のスペクトルの比を求めた (強震スペクトル比). 常時微動記録からは, 上下動成分に対する水平動のスペクトル比を求めた (H/Vスペクトル比). 両スペクトル比の基本卓越周期は, 地盤特性がほとんど見られない点を除けば, ほとんどの点で等しし値になることを確認した. 強震スペクトル比のピーク値 (As) とH/Vスペクトル比のピーク値 (Ap) は, ばらつきはあるものの正の相関があることがわかり, この関係を回帰するとAs=0.87Apという式が得られた.
  • 山口 直也, 山崎 文雄
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 203-214
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部地震の被災地域における建物被害を評価するためには, 地震動分布を推定することが必要であり, 筆者らはこれまでに, 強震記録と建物被害データを用いて, 阪神地域の地震動分布を推定してきた. しかし, その際用いた建物被害データには建物の建築年代の情報がないために, 推定された地震動分布には建築年代ごとの建物存在率の影響が含まれていると考えられる. また, 建物数不足のために地震動が推定されていない地域も存在する. そこで本研究では, 詳細な建物被害関数の構築に用いる地震動分布を得るために, 西宮市が行った建物被災度調査結果を用いて, 西宮市に関して地震動分布の再推定を行った. その結果, 建築年代の影響を受けない, 精度の高い地震動分布を推定することが出来た.
  • 橋本 隆雄, 宮島 昌克
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 215-224
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1999年1月25日にコロンビアのキンディオ県を襲った, マグニチュード6.2の直下型地震による現地被害調査を行った. この地震による死者は1,000名以上に上る. 現地で収集した資料をもとに, まず, 地震および地震動や被害の概要を報告する. また, 被害の最も大きかった人口約28万人のアルメニア市に注目して, 建物の被害分布を市街地の変遷との関係で整理し, 考察するするとともに, 上水道被害を中心にライフライン被害と復旧状況について報告する.
  • 泉谷 恭男
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 225-230
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    九州南部におけるK-NET観測点での強震記録を解析し, S波の減衰に関するQS値について調べた. 2つの地震の際の2つの観測点での記録の二重スペクトル比をとることによって, 震源の影響と観測点での地盤の影響とを取り除いて, 伝播経路の影響だけを孤立させることができる. 本研究で得られたQS値は過去の研究で得られている値の1/2~1/3程度である. QS値が小さく求まった原因としては, 過去の研究に比べて伝播経路がかなり浅いことと, 霧島火山帯の下を通過する経路であることが考えられる. QS値は深さによって, また, 地域によってかなり変化している可能性がある.
  • 東平 光生
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 231-236
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    成層弾性波動場の Green 関数の計算に必要な分岐線積分の積分核の固有関数への分解表示を佐藤の超関数 (Hyperfunction) の概念を用いることで求めた. 佐藤の超関数は複素関数の実軸上での境界値の差として定義されるが, ここではレゾルベント集合で定義された Green 関数のスペクトル (虚数軸も含む) 上での境界値の差として Hyperfunction が得られると考えた. これによって, 積分核の連続スペクトルの固有関数への分解がスムーズな形で行われるばかりでなく, 連続スペクトルの固有関数に対するエネルギー積分も自然な形で導入できること, エネルギー積分の対称性が定式化の流れのなかではっきりと捉えられることを見出した.
  • 大倉 一郎, 三木 千壽, 休場 裕子, 沖中 知雄
    2000 年 2000 巻 640 号 p. 237-238
    発行日: 2000/01/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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