抄録
帯水層は, 透水係数などの水理パラメーターに関して不均一性を有しているが, その不均一な分布の把握は, 対象とする帯水層の地下水流れ及び汚染物質の移流分散挙動を評価するうえで重要である. 本研究では, トレーサー試験結果と数値計算結果とを比較し, 適合度検定により帯水層の透水係数分布を推定する自己回帰モデルのパラメーターを評価する方法を提案している. また本手法をドイツの Horkheimer Insel 野外実験サイトで行われたトレーサー試験に適用し, 実際のトレーサーの移流分散挙動を十分再現できることを示し, 本手法の適用性を確認している.