抄録
性能規定に基づく設計体系への移行が求められている. 本研究では, 信頼性理論と構造最適化手法を統合させて, 設定する任意の安全性に対応できる設計フローを構築した. そして, 提案手法を連続ラーメン橋の橋脚躯体と単柱式RC橋脚の耐震設計に適用し, 道路橋示方書により耐震設計した場合との比較検討を行った. その結果, (1) 提案手法は確率論に基づく設計を具現化した有力な手法であり, 従来の規準に比べ, より合理的な設計が可能である, (2) 道路橋示方書により耐震設計された構造物間の保有安全性のばらつきを提案手法に基づき整合させると, 断面諸量の変更が必要になる場合がある, ことなどの結論を得た.