抄録
静止水面上に流出した油の放射状の拡がりを2層流モデルにより取扱っている. 解析では2層流モデルと特性曲線法により初期値境界値問題として取り扱い, 計算は先端条件を満たす位置より後方部について行なっている. 先端条件については淡塩水を用いた水路実験により再検討し, 密度界面が局部的に持ち上がった点のうち先端に最寄りのものを先端条件の位置とし, この位置の上層厚さを先端厚さと定義した. また, 油層厚が極めて薄くなった時の油層先端の計算上の処理を再考している. 本計算法により計算が改良され, 計算結果が既往の実験結果をよく再現することを確認した.