2001 年 2001 巻 682 号 p. 225-243
不整形地盤の地震応答における短周期表面波の工学的重要性が応答シミュレーションとアレー観測による実測に基づき論ぜられる. 短周期表面波の工学的重要性は加速度などの震動の特異増幅とひずみや応力などのテンソル挙動に表れることから, これらの解析に有効な擬似スペクトル法が地震応答シミュレーション手法として用いられる. 最初に, 典型的な不整形モデル地盤の応答シミュレーションから震動増幅と地盤ひずみ挙動が短周期表面波の発生に密接に関係することが明らかにされる. 次に, アレー観測が実施されている実際の不整形地盤における地震動記録にみられる震動増幅と地盤ひずみが応答シミュレーションと比較され, 擬似スペクトル法の有効性が示されると同時に, 短周期表面波の重要性が論証される.