2001 年 2001 巻 682 号 p. 311-322
本研究は, 工学的基盤での最大地動 (最大加速度, 最大速度および最大変位) の距離減衰に適合するような模擬地震動の一作成法を提案したものである. 具体的には, フーリエ振幅スペクトルと波形包絡線を与えて作成した工学的基盤での加速度波と, それを積分して得られる速度波および変位波の最大値が, 距離減衰式より求められる最大加速度, 最大速度および最大変位と整合するように, フーリエ振幅スペクトルを修正する一手法を提案し, 数値計算よりその妥当性を検証したものである. 本手法を用いると, 種々のマグニチュード, 断層距離および震源深さに対する工学的基盤での模擬地震動を比較的簡便に作成できる.