土木学会論文集
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超長大吊橋の終局強度に着目した主ケーブル, ハンガー及び主塔の安全率の合理化
野上 邦栄齊藤 一則長井 正嗣藤野 陽三
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2001 年 2001 巻 682 号 p. 323-334

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抄録

我国の吊形式橋梁は, これまで経済的に余裕のある環境の下で設計・施工されてきたが, より経済的に, より合理的に建設することが要求されている. そこで, 本論文では超長大吊橋を対象に主ケーブル, ハンガー及び主塔の安全率が変形特性および耐荷力に及ぼす影響などを明らかにし, 各構成要素の初期降伏時および全体系の終局強度に着目した合理的安全率の組み合わせについて検討した. (1) 初期降伏時の荷重倍率が現行の安全率を用いた場合のそれと同等であること, (2) 終局状態までに各構成要素が初期降伏を起こしていること, (3) 吊橋全体系の終局強度は所要荷重倍率αreq=2.4を確保することの条件を基本に, 構成要素のバランスのとれた安全率として主ケーブルγC=1.8, ハンガーγH=2.2及び主塔γT=1.5の組み合わせを提案している.

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