土木学会論文集
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低水セメント比コンクリートの水和発熱速度と空隙内水分平衡との相互依存性
岸利 治石田 哲也前川 宏一
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2001 年 2001 巻 690 号 p. 45-54

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抄録

本論文は, 低水セメント比配合のコンクリートの温度上昇特性が, 水和に十分な水を配合する場合と比較して様相が異なる実験事実に照らして, その特性を主として理論的側面から検討するものである. 水和反応に利用可能か否かという観点から, 熱力学理論に基づき系内の残存水分を分類し, 水和発熱モデルと連成して解く事で, 反応が持続的に継続する低水セメント比コンクリートの挙動の予測を試みた. 感度解析及び実験との比較検証を通して, 低水セメント比コンクリートの水和発熱特性を予測する上で, 空隙構造に依存する内部水分平衡と水和発熱反応の相互依存性を考慮する必要があることを示した.

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