2001 年 2001 巻 690 号 p. 55-63
不飽和ポリエステル (硬化物) を主成そとしたコンクリート凝結遅延剤は, 凝結遅延効果が長時間持続し, これをポリエチレンテレフタレート (PET) フィルムに塗付した凝結遅延シートは, 雨水や型枠散水では凝結遅延成そが流出せず均一な遅延効果を発現する. 本報では不飽和ポリエステルの化学構造と遅延効果, 特に遅延速度の関係について検証を行い, その親水性との間に相関があることを見出した. 同時に不飽和ポリエステル系凝結遅延シートの遅延効果が, コンクリートの養生温度, 養生時間にほとんど依存しないことを明らかにした. また, このシートを用いた鉛直打継面の処理が, コンクリート強度, 打継面強度に及ぼす影響について試験し, 従来のチッピング工法と遜色ないことを示した.