2001 年 2001 巻 693 号 p. 87-94
構造部材の大ひずみを計測する手法として, ステレオビジョンを用いたシステムを開発した. これは部材の表面に設けた標点の動きを, ステレオビジョンによって3次元的にとらえ, その座標の変化からひずみ場を計算するものである. 撮影した画像の前処理からひずみ計算までの一連の処理は, 自動的に行うことができる. 本システムの利点は, 板の面外変形のような部材の3次元的な挙動が生じる場合にも適用できる点であり, 座屈部の近傍に生じるひずみ場なども計測することができる. 本システムをコンクリート充填鋼管部材に対する載荷試験に適用し, 座屈部近傍の変形, ひずみ計測が自動的に行えることを示し, その有用性を確認した.