抄録
本論文では, 34~104年間地下水中あるいは水に接していて, カルシウムの溶出作用を受けたコンクリートの実態調査および数値解析により溶出メカニズムや変質程度に関する検討を行った. 解析モデルは変質に伴う空隙率や拡散係数の変化およびカルシウムの溶解平衡を考慮した質量保存則を基本にし, カルシウム濃度分布および空隙率や強度といった物理性能分布を推定できるものとした. 実構造物調査では, モデルの評価, 作用水質や材料条件などが変質速度に及ぼす影響を検討した. その結果, 想定した溶出モデルにより様々な環境における変質過程が予測可能であることが証明され, 水セメント比, 境界カルシウムイオン濃度が変質速度へ大きな影響を及ぼすことが判明した.