抄録
自己充填性を有する高強度コンクリート, 及び高強度鉄筋を用いたRC梁・柱部材のせん断耐力について検討した. 斜めひび割れ発生荷重に対するコンクリート圧縮強度の影響は, 50MPa以上では低減し, 普通強度に比較して寸法効果が大きくなることが示された. 高強度せん断補強筋の全降伏を確保するためには, コンクリート強度に配慮する必要性が示唆された. 実験結果と部材耐力算定式との比較検討を行うとともに, 高強度コンクリート破壊面形状を考慮したせん断伝達構成則による有限要素解析を実施した. 本手法によって, 高強度材料からなるRC梁の変形挙動を追跡できることを確認した.