抄録
1999年トルコ・コジャエリ地震, 1999年台湾・集集地震, 2001年インド・グジャラート地震の後に撮影された空撮映像の静止画像を用いて建物被害地域の自動抽出を試みた. 本研究で適用するマルチレベルスライス法は倒壊建物を色相, 彩度, 明度, エッジ強度, エッジ強度の分散, エッジ方向の最頻度で特徴づけて閾値を設定し, これらの閾値の全てを満たす画素を被害建物とみなすものである. その後テクスチャ解析を行い, 建物被害の表現を画素レベルから建物1棟レベルに変換した. 建物被害の特徴はそれぞれの地震災害によって異なることから, 他の地震災害画像によって設定された閾値を用いるよりも, 対象とする地震災害ごとに閾値を設定した方が実際の建物被害分布に近い結果が得られることがわかった.