抄録
地震時に生ずる地表面での地盤ひずみと地盤粒子速度との関連について実測記録を基に調査した. ひずみ振幅と速度振幅の関係を見出すには, 観測資料の蓄積を必要とする. 双方の時刻歴の関連について調べるために, 2ヶのひずみ不変量の各々と3成分合成速度の時間変動を1/100秒毎に比較検討した. ひずみ不変量の絶対値が時刻歴で極大のとき, 地盤の正弦振動状態では合成速度は極小となり, また正弦波動伝播状態では極大を示す. 本解析では, 継続時間内で約半数の時刻で振動状態を, 残りの時刻で波動状態を示すこととなり, 双方の時刻歴間の明瞭な関係は得られなかった.