抄録
本研究は, 合理的選択理論の枠組みでSPデータと解釈されていたデータが社会心理学の態度理論の枠組みの中では行動意図データと解釈可能であることを指摘する. その上で, 行動意図が現実に実行される/されないを理論的に予測することを通じて, 行動意図データから交通需要予測を行う方法論を提案し, これを“行動意図法”(Behavioral Intention 法: BI法) と呼称した. 本稿では初期的な事例研究として行動意図法に基づいて新規地下鉄路線の供用前の行動意図から供用後の行動についての定性的予測を行い, その予測の妥当性を供用後の行動データを用いて検定した (n=903). その結果, その妥当性を支持する結果を得た.