抄録
微弱電波発信装置と市販の携帯ラジオで構成される視覚障害者歩行案内システムを用いて, 高齢者と視覚障害者を被験者とした歩行実験を平成12年7月26日・27日に愛知県豊田市の名古屋鉄道豊田市駅から豊田市役所間約550mで行った. 被験者には心拍計または脳波計を装着し, 移動途中の挙動を見るため8mmビデオカメラで被験者を撮影した.
被験者に対して行った外出に関する意識調査データを数量化理論III類により分析し, それぞれの被験者を歩行能力により3つのグループに分類できた. また実験から高齢者・視覚障害者の歩行時の挙動が時間的変化量と客観的生理情報として計測でき, 提供した認知情報の有用性を評価することができた.