抄録
流下方向にワンド模型を2つ配置した開水路流れにおいて, 上流ワンドのアスペクト比および上流ワンドと下流ワンドとの設置間隔を系統的に変化させた12ケースと単体ワンドの全13ケースを対象に実験を行った. 計測機器はPIVを使用し, 計測対象は下流ワンドとした. その結果, 上流ワンドのアスペクト比が大きくワンド設置間隔が小さいほど主流部での時間平均流速分布は主流側へ流向が変化し, 境界部付近で発生する内部せん断層の位置が変化することが明らかとなった. また, 乱れ特性量の絶対値は増加し, 乱流混合が活発に行われていることもわかった. さらに, ワンド周辺での組織構造についてウェーブレット変換を用いて, 流れ構造を3つの周波数帯に分割解析した. これより上流ワンドのアスペクト比と設置間隔を変化させると, 組織渦の軌跡はかなり変化することが明らかとなった.