抄録
斜面を遡上する内部波の変形・混合過程を把握するために, 数値実験及び水理実験を行った. 数値計算では, 内部波挙動を精度良く再現するためにCIP法を用い, 乱流モデルとしてκ-εモデルを採用した. 実験は, フラップ式内部波造波装置を設置した長さ6mの2次元水槽を用いて行った. 実験では, 塩水と淡水を使って成層化した斜面地形を有する海域をモデル化した. 内部波の計測には, 内部波波高計と可視化解析法を用いた. 可視化解析では, 撮影した画像を画像処理して輝度分布図に変換することで, 内部波の変形と密度境界面付近で生じる混合を予測した. 実験結果と数値計算結果を比較した結果, 斜面を遡上する内部波の変形及び混合状況は数値計算によって適切に再現され, 本数値計算手法の実験室レベルでの内部波問題に対する適用性が確認できた.