抄録
航空輸送サービスはネットワーク財であり, ある特定の空港施設整備が行われたとしても効果はネットワーク全体へ波及する. 空港施設整備計画が国土計画を上位とする下位の計画であると考えるならば, 空港施設整備の費用, 便益の総額を議論するだけでなく, 便益波及の空間的側面を考慮する必要がある.
本稿では, 日本を対象に空港施設整備が各地域へ及ぼす影響を計測することを目的とする. 分析では羽田空港のスロット拡大の効果が対象とされる. 分析の結果, 羽田空港のスロット拡大は, その後背地域である関東地方のみならず, 九州や北海道地方など, 羽田発着の路線・便数の多い地域でも大きいことが明らかにされた.