2006 年 62 巻 3 号 p. 693-701
従来のモンテカルロフィルタ (MCF) を用いた構造同定は,大規模な構造システムに対して適用する際,計算時間が極端に増加するために実用的ではなかった.そこで本論文では,モンテカルロフィルタのアルゴリズムに修正を加えることによって,自由度の大きな構造システムへ適用可能な効率的な構造同定法 (Relaxation MCF) を開発する.また,提案手法に遺伝的アルゴリズム (GA) を組み込むことによって,より良い追従能力を有する構造同定法 (GA-RMCF) を開発する.次に,5層構造モデルに対して行った振動台実験から得られた観測結果に対して,GA-RMCFを適用することにより提案手法の有用性を示す.