土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
ISSN-L : 1880-6023
和文論文
経験的サイト増幅・位相特性を考慮した盆地生成表面波のシミュレーション
-九州地方のカルデラを例として-
野津 厚山田 雅行長尾 毅
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 62 巻 4 号 p. 891-905

詳細
抄録

 地下構造の情報が十分でなく,差分法等による地震動の評価が困難な地域において,周期数秒の帯域での強震動評価の精度向上を図ることは重要な課題である.本研究は,既往の研究で短周期地震動への適用性が示されている経験的サイト増幅・位相特性を考慮した強震動評価手法について,周期数秒の盆地生成表面波への適用性を検討したものである.まず,九州地方の強震観測点における経験的サイト増幅特性を評価し,これを利用して,1997年3月26日鹿児島県北西部地震に対し,同手法による強震動シミュレーションを実施した.その結果,カルデラ内で卓越する周期数秒の盆地生成表面波を良好に再現できることがわかり,周期数秒の帯域における強震動評価手法としての同手法の有用性を示すことができた.

著者関連情報
© 2006 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top