抄録
道路橋示方書では,高力ボルト摩擦接合継手の設計に用いるすべり係数を,黒皮を除去した粗面状態および厚膜型無機ジンクリッチペイントを塗布した状態を標準として,0.4としている.しかし,海外の設計基準類では,接合面の状態によってすべり係数を変えている.我が国においても,接合面の状態に応じて0.4を超える設計上のすべり係数を適用できれば,ボルト本数の低減や連結板の小型化が可能となる.ここでは,接合面の処理状態が異なる様々なタイプの継手試験体のすべり耐力試験を行った結果を報告する.そして,これまでに行われた数多くの試験結果を整理した上で,接合面の処理方法と品質ごとにすべり係数を明確にし,鋼橋の設計で用いるべきすべり係数を提示する.