抄録
箱桁橋梁には,断面形状を保持し断面変形に伴うそり応力等の抑制に中間ダイアフラムが必要になる.しかし,現行の設計ガイドライン(鋼道路橋設計便覧)では,算定式導出時の仮定に起因して,ダイア間隔が狭い場合に必要剛度が非常に大きくなり不経済となる等の問題があると指摘されている.本研究では,FEMベース設計を念頭におき中間ダイアフラムの設計の合理化を目的に,ダイア間隔,剛度,水平曲率をパラメータとして長スパン・大断面鋼箱桁橋梁をシェルFEM解析により検討した.その結果,相関剛比0.02程度の補剛材があればダイア間隔が増大してもそり応力は上昇せず,設計便覧の必要相関剛比20に従う必要はないこと,曲線桁では曲線半径Rの減少とともに設計式の精度が低下し,R≦100mでは差異が顕著になること等を明らかとした.