土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
ISSN-L : 1880-6023
64 巻, 2 号
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英文論文
  • Haiming HE, Osamu KIYOMIYA
    2008 年64 巻2 号 p. 273-287
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
    In this research, carbon fiber sheet (CFS) substitute to lateral tie was used for torsional strengthening of PC member. To investigate the mechanical properties of CFS strengthened PC member subjected to torsion and torsional reinforcement effects of CFS, monotonic and cyclic torsional loading tests were carried out with specimens which strengthened by lateral ties and unreinforced specimen for comparison. From both monotonic and cyclic loading test results, it was proved that the CFS can increase the ultimate torsional capacity and cracking torque. And it was also confirmed that the CFS had sufficient reinforcement effect, and for CFS strengthened specimen, the cracks of concrete were dispersed and widths were small. Mechanical properties such as torsional rigidity retention, residual twist, resilience and ductility were excellent. As for three-dimension finite element method analysis, analysis results matched the results of monotonic loading tests well and tracked the cyclic torsional loading tests when both nonlinear properties and hysteresis properties of each material were applied. A calculation concept including torsional effective cross-sectional area and thickness of shearing flow for the torsional capacity of CFS strengthened PC member was proposed.
  • Kazuo TATEISHI, Tao CHEN, Takeshi HANJI
    2008 年64 巻2 号 p. 288-296
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
    This paper presents the results of un-stiffened cantilever column subjected to incremental or constant amplitude cyclic loading. The objectives of this study are to investigate the extremely low cycle fatigue life of the column and verify the proposed strain based approach. During the test, fatigue cracks initiated from the weld toe at the corner and propagated along the weld toe. Finally, the column ruptured without a local buckling. The failure of low cycle fatigue induced by large cyclic deformation has been elucidated. In a further step, the crack initiation life was estimated based on the local strain by proposed simple approach. It is indicated that correlation between the test result and the estimated life was good enough.
和文論文
  • 下里 哲弘, 木ノ本 剛, 三木 千壽
    2008 年64 巻2 号 p. 167-178
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     打込式高力ボルト支圧接合継手について,各種パラメータに対する継手引張実験を行ない,ボルトがせん断破壊する終局状態までの荷重とずれ性状および終局耐力を検証し,支圧接合継手の耐荷力性状を評価した.また,実験結果に基づき,支圧接合継手のFEM 解析モデルを提案した.そのFEM解析モデルの検証として実験供試体モデルを用いた弾塑性FEM解析を行なった結果,ボルトがせん断破壊に至るまでの終局挙動を評価できることを確認した.
  • 齊藤 正人
    2008 年64 巻2 号 p. 179-191
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     強震時,杭基礎は慣性力のみならず,地盤の強制変形により大きく損傷を受けることが既往の研究により明らかにされている.著者はこれまで杭に生じる曲げひずみと杭径寸法の関係について検討し,杭頭近傍に生じる曲げひずみを極小化する最適杭径が存在し得ることを明らかにした.しかし実際には,杭近傍の地盤において塑性化が生じるため,杭への作用力には有効抵抗土圧という上限値が生じることになる.そこで本研究では,そうした塑性化の影響について,粘性土地盤中の杭基礎を対象に応答変位法に基づく解析的評価を実施した.その結果,地盤の塑性化の進行により,慣性力による曲げひずみは著しく増加し,地盤変形による曲げひずみは減少することが判明した.これにより,最適杭径は地盤の塑性化に伴って増加する傾向にあることが明らかとなった.
  • 牧 剛史, 土屋 智史, 渡辺 忠朋, 前川 宏一
    2008 年64 巻2 号 p. 192-207
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     鉄筋コンクリートと地盤の非線形材料構成則に基づく3次元有限要素モデルにより,杭基礎と周辺地盤を含む構造物全体系の連成地震応答解析を行うとともに,静的プッシュオーバー解析および2次元有限要素モデルによる連成地震応答解析との比較検討を行った.その結果,杭基礎の変形モードや損傷位置,フーチングの並進・回転応答の点で,静的プッシュオーバー解析は連成地震応答解析と異なる結果を与えることを示した.また,2次元モデルにおける地盤奥行き設定は,今回の検討範囲内ではフーチング幅程度とすれば,工学的に3次元解析とおおよそ等価となることが推定された.
  • 丸山 喜久, 山崎 文雄, 用害 比呂之, 土屋 良之
    2008 年64 巻2 号 p. 208-216
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では,関越自動車道と北陸自動車道の一部区間でとくに盛土部に震動が原因となった被害が多数発生した.そこで,本研究では,詳細な高速道路被害データと250mメッシュ単位で細密に推定した地震動強度分布をもとに,盛土部の被害程度と地震動強さの関係について統計的な分析を行い高速道路盛土部の被害関数を構築した.その結果,車両の走行に支障のある被害は,計測震度が5.1∼5.2のとき0.05∼0.1件/kmの被害率を示すと推定された.走行に支障のない軽微な被害も含めると,計測震度4.5∼4.6のとき0.05∼0.1件/kmの被害率を示した.
  • 紫桃 孝一郎, 中薗 明広, 鈴木 永之, 永元 直樹, 浅井 洋
    2008 年64 巻2 号 p. 223-234
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     波形鋼板ウェブ橋はコンクリート箱桁橋のウェブを波形に加工した鋼板で置き換えた複合構造であり,構造の合理化および施工の省力化の観点からその実績数を着実にのばしている.一方,コンクリートの上下床版および横桁で端部固定された波形鋼板のせん断挙動は完全に解明されたとは言い難い状況である.そこで実橋に準じた箱桁断面の実物大実験供試体および1/2供試体を用いた静的載荷実験を行い,そのせん断挙動の評価を行った.その結果,波形鋼板のせん断分担率は,コンクリート上下床版部のひび割れ進展に伴い増加し,波形鋼板のせん断応力度が降伏応力度に達すると減少に転じることが示された.また,実橋のように4辺をコンクリートで囲まれた波形鋼板のせん断座屈は緩やかに進行し,脆性的に破壊しないことが示された.
  • 高橋 和也, 内藤 繁, 関 雅樹, 市川 篤司, 三木 千壽
    2008 年64 巻2 号 p. 235-247
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     初期の溶接鋼鉄道トラス橋の縦桁横桁連結部の多くで疲労き裂が発見されている.縦桁横桁連結部における疲労き裂は対処方法が不適切であると,列車の走行安全性に影響を及ぼす恐れがある.本研究では,縦桁横桁連結部の確実な延命化対策の確立に向けて,疲労き裂の発生メカニズムを解明するために,疲労き裂発生状況分析,実橋測定およびFEM解析を行った.疲労き裂発生状況分析では,き裂のタイプごとに発生位置の傾向を確認した.また実橋測定では,そのき裂のタイプごとに,走行列車の車軸位置に着目して,き裂発生原因となる応力挙動を確認した.さらにFEM解析において,全体橋梁モデルおよび詳細モデルを用いて,き裂発生箇所近傍の変形挙動を明らかにすることで,き裂の発生メカニズムを解明した.
  • 矢野 嘉久, 丸山 喜久, 山崎 文雄, 山内 亜希子, 菜花 健一
    2008 年64 巻2 号 p. 248-257
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     東京ガス(株)では2001年からSUPREMEと呼ばれる新防災システムを導入し,大きな地震動が観測されると地区ガバナ単位でガス供給を自動遮断および遠隔遮断する.さらに,各需要家に配備されているマイコンメーターは,地震動を感知するとガスの供給を自動遮断する仕組みを有している.しかし,マイコンメーターの地震時遮断特性に関してはまだ不明瞭な部分が残っている.本研究では,マイコンメーターの地震時遮断特性を評価するための振動台実験を行うとともに,実地震時におけるマイコンメーターの遮断データを収集し分析を行った.さらに,地震動強さとマイコンメーター遮断率の関係を評価し,対数正規分布を用いた遮断率推定曲線を構築した.
  • 齊藤 正人
    2008 年64 巻2 号 p. 258-272
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     近年,強震動による免震システムの過大な応答変位が,免震装置の損傷や免震システムのクリアランス確保の観点から問題視されている.最近では回転慣性を利用した免震装置が幾つか提案されており,免震システムの変位応答を抑制するものとして注目されている.しかし,変位応答を抑制することで免震効果が低減するなど解決すべき問題が残る.そこで本研究では,回転慣性と摩擦スライダーを直列に配した新しい機構を提案し,その基本特性を解析的に明らかにした.その結果,回転慣性機構の特長である低振動数側の応答低減によって効率的に応答変位を低下できること,また摩擦スライダーによる機構変換によって,高振動数側では従来の免震効果を保持できることが明らかとなった.
  • 柴沼 一樹, 宇都宮 智昭
    2008 年64 巻2 号 p. 303-316
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     本研究では,屈折または曲線き裂を高精度で解析するために,写像を用いたM積分法の近似法に関する提案を行った.この提案を用いて,M積分の経路独立性に関して,X-FEMによる総合的な検証を行った.理論解を有する屈折き裂及び曲線き裂に対して本提案による精度検証を行った結果,応力拡大係数の解析精度における経路独立性に関して大幅に改善された.さらに,本提案を疲労き裂進展解析に適用した結果,疲労き裂進展速度の経路独立性も大幅に改善されると共に,き裂進展方向の収束性及びき裂進展経路の安定性も著しく向上し,その有効性が示された.
  • 山野辺 慎一, 曽我部 直樹, 家村 浩和, 高橋 良和
    2008 年64 巻2 号 p. 317-332
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     RC橋脚では,地震時における耐震性能が,基部等の塑性ヒンジ部分の特性に大きく依存する.つまり,塑性ヒンジ区間の特性を改善することができれば,橋脚全体の耐震性能を向上させることができる.塑性ヒンジ構造の特性を改善する手段としては,近年,開発が進められている高性能コンクリートおよび高強度鉄筋などの高強度材料を合理的に適用することが考えられる.
     本研究では,超高強度繊維補強コンクリートおよびアンボンド高強度鉄筋を用いることで,大きな変形性能を有し地震時に安定した挙動を示すことができる塑性ヒンジ構造を提案し,同構造を適用したRC橋脚を想定した正負交番載荷実験および解析を行い,その基本的な構造特性について明らかにした.
  • 細見 直史, 貝沼 重信
    2008 年64 巻2 号 p. 333-349
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     下路トラス橋の斜材などの鋼構造部材がコンクリートとの境界部近傍で局部腐食する損傷が報告されている.この腐食損傷により構造部材に高い応力集中が生じることで,疲労き裂が発生・進展し,部材が破断に至った事例も報告されている.本研究では鋼構造部材がコンクリート境界部で局部腐食した後の疲労挙動を明らかにするため,腐食促進試験後のモデル試験体を用いて疲労試験を行った.また,腐食促進試験したモデル試験体,および数値シミュレーションにより生成した腐食表面モデルを対象としたFEM応力解析を行なうことで,腐食の進行に伴う疲労寿命の経時的変化を定量的に明らかにした.また,その疲労寿命を簡易に評価・予測する手法を提案した.
  • 東平 光生
    2008 年64 巻2 号 p. 350-362
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     領域型積分方程式を用いた半無限弾性波動場の解析手法を示している.まず,積分方程式に現れるGreen関数と媒質の揺らぎを分離するための数学的な変換を,半無限弾性波動場の固有値問題から求めている.そして,この変換によって半無限弾性波動場のGreen関数を合成するばかりでなく,変換そのものを積分方程式の求解の反復過程に組み入れ,数値計算を行う手法を提示する.計算例として,半無限弾性波動場の自由表面に点加振力を与え,媒質内部の揺らぎに波動を照射する問題を扱っている.そして求解の際の解の収束特性ならびに得られた波動場の性状について考察を行っている.
  • 車谷 麻緒, 寺田 賢二郎
    2008 年64 巻2 号 p. 363-375
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     本論文は,非均質脆性材料の経年劣化問題への応用を意図して,微視的ひび割れ進展を伴う固体の変形とスカラーポテンシャルの拡散の双方向弱連成を考慮した,均質化法に基づくマルチスケール·マルチフィジックス解析手法を開発するものである.まず,微視的ひび割れ進展に伴う双方向のマルチスケール·マルチフィジックス現象を説明した後,スカラー場の拡散の代表格である熱拡散問題と,微視的ひび割れ進展を考慮した固体の変形問題の弱連成の定式化と解法を述べる.そして,簡単な検証例を挙げてマルチスケール解析や弱連成解析の妥当性を示した後,拡散と変形の非定常ミクロ·マクロ連成問題の数値解析例を紹介し,微視的ひび割れ進展を伴う非均質脆性材料の経年劣化問題に対する本手法の有用性や適用性について考察する.
  • 森 雅美, 鈴木 一孝, 石川 信隆, 増田 陳紀
    2008 年64 巻2 号 p. 376-393
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     本研究は,兵庫県南部地震で被災した単柱式鋼製円筒橋脚の中間部における断面変化部直上の薄肉側の断面で発生した環状の軸対称局部座屈現象に着目し,その損傷の要因としての衝撃的上下動の可能性を探るため,2つのダイアフラム間内の変断面円筒シェルを模擬した変断面鋼管短柱の局部座屈現象の実験的検討を試みたものである.すなわち,変断面鋼管短柱の衝撃突き上げ実験により環状の軸対称局部座屈現象を再現するとともに,局部座屈が発生するときの外力条件(入力速度と強制変位量)を明らかにした.そのうえで,本実験で得られた動的塑性局部座屈荷重に基づき,静的塑性局部座屈強度の算定式にひずみ速度効果を導入した動的塑性局部座屈強度の算定式を提案するとともに,実験結果との比較によりその妥当性を検証した.
  • 高橋 和也, 内藤 繁, 関 雅樹, 市川 篤司, 三木 千壽
    2008 年64 巻2 号 p. 394-407
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     初期の溶接鋼鉄道トラス橋の縦桁横桁連結部の多くで疲労き裂が発見されている.主要部材の連結部であるため,その対処方法が不適切であると,列車の走行安全性とともに橋梁の寿命に大きな影響を及ぼす恐れがある.本研究では,当該連結部の確実な延命化対策の確立に向けて,疲労特性を明らかにするとともに,その改善を図る補強方法を提案することを目的に,実物大の試験体を用いて静的載荷試験および疲労試験を実施した.その結果,当該連結部は疲労強度が低く,その溶接部からのき裂進展により周辺部で応力が増加し,き裂が発生する可能性が高くなる箇所が存在することが明らかになった.また,これらのき裂に対する補強方法を提案し,応力低減効果を確認することにより,その有効性を示した.
  • 大島 俊之, 中村 昌弘, 山崎 智之, 潤田 久也
    2008 年64 巻2 号 p. 408-420
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/20
    ジャーナル フリー
     繰り返しせん断変形を受ける免震ゴム支承材内部では,付加されたひずみエネルギーの一部が熱エネルギーに転化し,ゴム等の発熱による温度上昇が起きる.しかし,大きく変形するゴム内部の温度を測定することは難しく,表面温度などの測定によって推定していた.一方,ゴム内部の温度はゴムの物理特性にも影響を与えるため,免震ゴム支承材の内部温度上昇を知ることは支承材のせん断特性や耐熱劣化性等を評価する上で重要である.本文では,高減衰ゴム支承材のせん断変形によって生じるゴムの内部ひずみが一様分布に近く,ゴムのエネルギー吸収が一様と仮定できることを使って,実験と数値解析を合成するハイブリッド解析により,繰り返しせん断変形下の高減衰ゴム支承材内部発熱温度を推定した結果を示した.
  • 中島 正人, 平田 和太, 盛川 仁
    2008 年64 巻2 号 p. 421-433
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/20
    ジャーナル フリー
     構造物の地震リスク(年損傷確率)を評価する場合,対象地点の地震ハザード曲線と,構造物のフラジリティー(脆弱性)曲線を用いて損傷確率を評価する方法が多く用いられてきた.本論文では,対象地点周辺で想定され得る全ての地震のマグニチュードや距離を考慮しつつ,地震ハザード曲線を用いず直接的に構造物の年損傷確率を評価する方法を提案する.同時に従来の地震ハザード再分解方法との関連を整理する.次に仮想的な地震ハザードモデルを想定して,質点系モデルと滑動モデルを対象に提案方法を適用する数値計算により,妥当性の検討を行う.提案方法は対象構造物モデルのフラジリティー計算を内在しており,最大応答,エネルギー両方の破壊規範に適用することが可能であり,構造物の年損傷確率をより正確に評価することが可能である.
  • 古田 均, 中津 功一朗, 野村 泰稔
    2008 年64 巻2 号 p. 434-445
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/20
    ジャーナル フリー
     被災ネットワークの復旧支援システム構築のための方法論の提案を目的とし,その開発を行った.大規模地震の直後は,度重なる余震や,火災などの影響により,時間的経過によって解決課題が変化し,予期せぬ事態が発生する動的環境である.ある時点で復旧計画を立ててしまうと,実際の工事施工の際に「遅延」が必ず発生することになり,その「遅延」が復旧活動全体に影響を及ぼすという問題が生じる.本研究では,復旧計画への種々の不確実性の影響を明らかにし,本研究で用いた不確実性を考慮したGA (Genetic Algorithm:遺伝的アルゴリズム)と従来のGAを,数値計算例をもとに比較し,提案したシステムの有用性について検討を加えた.その結果,頑健性のある復旧計画策定の可能性を示すことができた.
  • 高橋 和也, 三木 千壽, 市川 篤司, 田辺 篤史
    2008 年64 巻2 号 p. 460-473
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     箱桁橋梁には,断面形状を保持し断面変形に伴うそり応力等の抑制に中間ダイアフラムが必要になる.しかし,現行の設計ガイドライン(鋼道路橋設計便覧)では,算定式導出時の仮定に起因して,ダイア間隔が狭い場合に必要剛度が非常に大きくなり不経済となる等の問題があると指摘されている.本研究では,FEMベース設計を念頭におき中間ダイアフラムの設計の合理化を目的に,ダイア間隔,剛度,水平曲率をパラメータとして長スパン・大断面鋼箱桁橋梁をシェルFEM解析により検討した.その結果,相関剛比0.02程度の補剛材があればダイア間隔が増大してもそり応力は上昇せず,設計便覧の必要相関剛比20に従う必要はないこと,曲線桁では曲線半径Rの減少とともに設計式の精度が低下し,R≦100mでは差異が顕著になること等を明らかとした.
  • 岡林 隆敏, 中 忠資, 奥松 俊博, Hao JIEXIN
    2008 年64 巻2 号 p. 474-487
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     本論文では,常時微動自動計測システムの核となる算法を確立するために,常時微動多点観測により得られたデータに基づき多次元ARモデルから構造物の振動特性(振動数,モード減衰定数,振動モード)を高精度に自動推定する算法を提案した.橋梁の状態方程式で表した運動方程式を多次元ARMAモデルへ変換する構成法を明確にし,ここから誘導される多次元ARモデルから振動特性を自動推定する手法を示した.さらに,多点観測による多次元ARモデルと1点観測の1次元ARモデルの関係を示した.ランガー桁橋常時微動シミュレーション,5自由度系模型の常時微動実験,ランガートラス橋の常時微動実測に本手法を適用し,振動特性の自動推定の有効性を確認し,推定精度の検討を行った.
  • 小幡 卓司
    2008 年64 巻2 号 p. 488-501
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,橋梁を対象として損傷度評価による現状把握,信頼性理論に基づいた劣化予測,ならびに対象橋梁のユーザーコスト(UC)と再建設費用を算出し,これらの異なるパラメータについて包絡分析法(DEA)を適用して解析することにより,補修優先橋梁の選定が行えるような手法に関して検討を行うことを目的とする.具体的には,ある管理管内における橋梁群を仮定し,各橋梁の点検データを用いた現在の損傷度評価,信頼性理論に基づいた余寿命予測,ユーザーコストと再建設費用をパラメータとして抱絡分析法を用いた解析を実施した.解析結果からは,本手法は単位系の異なるデータを一括して取り扱うことが可能であり,それぞれのパラメータの順位決定への影響が容易に検討可能なため,非常に高い適用性,有効性等を有することが判明した.
  • 藤井 堅, 岩崎 初美, 深田 和宏, 豊田 正, 藤村 伸智
    2008 年64 巻2 号 p. 502-512
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     複合構造物のずれ止めのずれ耐力を把握するために,押し抜き試験や引き抜き試験が実施される.孔あき鋼板ジベル(PBL)の終局ずれ耐力は,PBLプレートの降伏かコンクリートの破壊のどちらかによって決まるが,後者では,孔周辺のコンクリートの破壊に抵抗する種々の拘束因子がずれ耐力に影響する.本研究では,コンクリートの拘束条件を変えて,押し抜きおよび引き抜き試験を実施し,孔部コンクリートのひび割れを拘束する因子の観点からPBLの終局せん断挙動を調べた.その結果,コンクリートのひび割れを拘束する因子として,かぶり部のコンクリート,孔内貫通鉄筋,孔周辺に配置された鉄筋などがあること,また,押し抜き試験では,供試体とテストベッドの間の摩擦による拘束がPBLのずれ耐力に大きく影響することを明らかにした.
  • 後藤 芳顯, 石河 亮, 海老澤 健正, 青木 徹彦
    2008 年64 巻2 号 p. 513-529
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     橋脚基部のフーチングへの固定度が相対的に低い場合やアンカー部に損傷が生じる場合の耐震解析においてはアンカー部の挙動を考慮する必要がある.現在提示されているアンカー部の履歴モデルは一定軸力下での1方向地震動に対応した面内曲げのものであり,軸力変動が生じる場合や3方向の地震動に対応したモデルは提示されていない.ここでは,通常の骨組解析ソフトで十分対応できるアンカー部の3次元履歴挙動を表す汎用的なモデルとして,いわゆるComponent methodを用いたモデルを提示し,その妥当性を2方向繰り返し載荷実験と比較することにより検討した.その結果,本モデルによると実験結果を合理的に説明でき,工学上ほぼ十分な精度でアンカー部の履歴挙動を表しうることが判明した.
  • 竹谷 純一, 野阪 克義, 奥村 学, 伊藤 満
    2008 年64 巻2 号 p. 530-541
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     近年の高強度鋼材の開発,および限界状態設計法へと移行する流れの中,鋼橋においては,フランジとウェブに異なる強度の鋼材を用いたハイブリッド桁の適用が検討されてきている.ハイブリッド桁の限界状態設計法の確立には未だ基礎となるデータが少ないと考え,曲げ−せん断組み合わせ荷重を受けるハイブリッド桁の静的載荷試験を行い,おもにせん断耐荷力,曲げ−せん断の相関について検討した.
     本研究で対象としたウェブ幅厚比においては,曲げ−せん断の相関は認められなかった.ハイブリッド桁においてはウェブが先行降伏し,耐荷力が低下すると考えられていたが,ウェブ内の応力状態を検討した結果,そのような耐荷力の低下が起こらないことが確認された.また,実験結果との比較によりせん断耐荷力提案式の精度を確認した.
  • 中村 秀治, 辻 徳生, 石井 抱, 佐竹 亮一, 中山 健, 本山 潤一郎
    2008 年64 巻2 号 p. 542-555
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/20
    ジャーナル フリー
     アクティブ制振に用いられる現代制御理論自体は完成の域にあると言われているが,センサ,コンピュータ,アクチュエータなどの周辺技術の発展動向次第で,さらに効率的な制御方法の生まれる可能性も考えられる.本論文では高速ビジョンの活用を前提に,運動方程式を直接積分する制御方式を検討している.微小な時間刻みにおける外力の変化に一定あるいは直線変化の仮定を設けて漸化式を誘導し,漸化式中に観測変位および制御力を組み入れることで制御が可能になることを示した.さらに,本方式の実構造物への適用可能性と有用性を確認するため,高速ビジョンと加速度計をセンサとした制御システムを構築し,骨組構造模型に対する制振実験を行って,本制御システムの特性と有用性について考察している.
和文ノート
  • 吉田 純司, 杉山 俊幸
    2008 年64 巻2 号 p. 217-222
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     Ogdenが提案した超弾性体は,定式化が複雑であるものの,広範囲なひずみレベルでゴムの実挙動を精度よく再現できることから数値計算において最も広く利用されている.本研究では,Ogdenのひずみエネルギー密度関数を,物質対数ひずみの不変量を用いて近似するモデルを提案する.さらに,本モデルでの応力−ひずみ関係および弾性構成則テンソルを導出し,それらの計算手法を示す.最後に,本手法の近似精度について検討し,その結果を基に近似レベルを決定するための必要条件を示す.
  • 貝沼 重信, 尾上 聡史, 三浦 健一, 井口 進, 川畑 篤敬, 内田 大介
    2008 年64 巻2 号 p. 297-302
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
     近年,鋼床版のデッキプレートとUリブの溶接ルート部から疲労き裂が発生し,デッキプレートを貫通する損傷が報告されている.このき裂を放置すると路面が陥没し,車両事故の原因となる恐れがある.また,疲労損傷部からUリブ内に雨水が浸入·滞水することで,Uリブの腐食損傷の発生を誘発する.本研究では,溶接ルート部から発生する疲労き裂をシミュレートでき,そのき裂の発生·進展メカニズムや補修・補強方法などを検討するための試験システムを構築することを目的とした.そのために,交通車両の輪荷重のアスファルト舗装による荷重分散効果と実働応力波形に着目し,鋼床版のモデル試験体を用いた静的載荷試験および疲労試験を行った.
  • 森地 重暉, 岡広 幸典, 菰田 陽一, 稲垣 裕久, 伊丹 博之
    2008 年64 巻2 号 p. 446-451
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/20
    ジャーナル フリー
     表面に生ずるひずみの地震観測を継続してきた.ゲージ長1mで3方向の軸ひずみを観測する施設を用い,観測結果は純せん断状態に近いことが示されている.本文では,さらに広域でのひずみ状態を調べるために,観測施設の間隔を約17m,最長約100mとしアレイ観測を継続した.その結果,各施設でひずみは純せん断状態に近く,また,主ひずみ方向も特定の方向が卓越していることが分かった.施設のうちの1つで地下水面レベルでの観測を行った.そこでのひずみ振幅は近くのものより大きめであった.
  • 森地 重暉, 菰田 陽一, 稲垣 裕久, 伊丹 博之
    2008 年64 巻2 号 p. 452-457
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/20
    ジャーナル フリー
     地盤内に生ずるひずみは6成分,地盤表面では4成分ある.著者は地盤表面の3成分のひずみの地震観測を継続してきた.更に鉛直方向の軸ひずみを観測すれば,地盤ひずみについて究明を深めることが出来ると考え,ゲージ長1mでの観測を試行した.幾つかの地震記録を得ることが出来た.鉛直方向の軸ひずみは,地表面の主ひずみと同程度の大きさがあり,上向きに座標軸をとると,鉛直方向の加速度波形と逆位相を示す傾向があった.
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