2009 年 65 巻 1 号 p. 216-227
本論文は,材料内部の微細ひび割れ形成を考慮した均質化法に基づくミクロ・マクロ連成解析により,準脆性材料(コンクリート)の破壊力学特性として極めて重要な,寸法効果の発現メカニズムについて考察するものである.まず,微視的ひび割れ進展を考慮した均質化法に基づくミクロ・マクロ連成解析について述べる.そして,微視的非均質性の相違に焦点を当てたミクロ・マクロ数値実験を行い,微視的非均質性とそれに起因する微細ひび割れ形成が巨視的な破壊靱性に与える影響について検討する.さらに,材料の非均質性(ミクロ)と構造の寸法(マクロ)を考慮した見かけの寸法効果のケースステディを行い,ミクロ・マクロの観点から寸法効果の発現メカニズムについて考察する.