2009 年 65 巻 1 号 p. 228-242
従来のXFEMは節点単位で解の特性を有したエンリッチ関数を付加するが,これにより生じるBlending Elements (BE) の内部において近似精度の低下が指摘されている.本論文では,解析領域全体の近似精度が包括的に保証されるPUFEM近似のXFEMに対する適用法を再検討することで,XFEMに関する再定式化を行い,従来のXFEMにおけるBEの問題を本質的に解決した.さらに,本論文で定式化したXFEMを2次元の線形破壊力学問題に適用し,変位場の近似式を定義した.基本的な数値解析モデルを用いた評価より,本論文で再定式化したXFEMは,従来のXFEMに比べ,いずれの評価においてもより優れた数値解析精度が得られた.