2009 年 65 巻 2 号 p. 440-453
海洋環境下における鋼構造物を腐食損傷に対して適切に維持管理するためには,その部材の腐食挙動の経時性を明らかにする必要がある.そこで,本研究では19.5年間海洋暴露された長尺鋼アングル材の腐食表面を回帰樹分析することで,腐食表面性状に対する平均腐食深さと最大腐食深さの関係を明らかにした.また,鋼アングル材に対する腐食表面性状をバリオグラム分析することで,その空間統計量と平均腐食深さの関係を明らかにした.さらに,この統計量を用いて空間統計学的数値シミュレーションを行うことで,海洋環境における長尺鋼部材の経時腐食挙動の評価・予測手法を提案した.