2009 年 65 巻 2 号 p. 454-473
近年,都市高速道路のトンネル構築工法として,シールド工法が標準的な工法として大きな役割を担っている.道路トンネルでは,本線シールドトンネルと出入口トンネル躯体の接合部を構築する必要があるため,鋼製セグメントの縦リブをシアコネクタとして用いた鋼・コンクリート混合構造の開発が求められている.しかし,当該接合部のように異種部材が接合する箇所にシアコネクタを使用した研究例は少なく,その応力伝達機構は明らかではない.著者らは,当該接合部を対象に縮小模型破壊実験を実施し,シアコネクタやスタッドの応力伝達機構およびせん断伝達耐力を評価した.また,シアコネクタやスタッドのせん断伝達耐力を簡便に計算する応力伝達モデルを構築し,非線形FEM解析や実験との比較から同モデルによる耐力評価の妥当性を検証した.