抄録
地方道を跨ぐ横断歩道橋の支柱で,支柱の全周の約半分に達する大きなき裂損傷が発見された.横断歩道橋でこのような重度のき裂損傷が報告された例は著者らの知る限りない.日本の横断歩道橋は昭和40年代に飛躍的に整備されたが,標準設計を適用して設計・施工された横断歩道橋も多い.よって,今回,重度のきれつ損傷が発見された横断歩道橋の鋼管支柱と同様の構造細目を有する横断歩道橋も存在し,同様の重度の損傷が発生する危険性もあるため,その原因を解明することは,同種の損傷を未然に防ぐ意味で非常に重要である.
そこで,本論文では,破面観察,材料試験,応力測定等を行って損傷の発生原因調査,メカニズムの推測を行うとともに,き裂損傷の補強等の対策も行ったので報告するものである.