土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
ISSN-L : 1880-6023
65 巻, 3 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
和文論文
  • 嶋田 健司, 石原 孟
    2009 年65 巻3 号 p. 554-567
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     流れの剥離を伴う鈍い断面には,その断面辺長比に応じてたわみ渦励振,ギャロピング,ねじれ渦励振,ねじれフラッター等,種々の空力不安定振動が生じることが知られている.これらの断面は長大橋梁や超高層建築物等の構造物に見られることから,それらの耐風設計においてはその発生を正しく予測する必要がある.本論文では構造基本断面として辺長比が2および4の矩形断面を対象とし,二次元非定常κ−εモデルによりこれらの一様流中における空力不安定現象の再現性を検討するために,非定常空気力,非定常風圧分布および自由振動応答について既往の研究結果との詳細な比較を行った.その結果,二次元非定常κ−εモデルは,これら空力不安定現象の発振風速および応答振幅を精度よく予測することが可能であることがわかった.
  • 柚木 和徳, 吉田 純司, 塩畑 英俊, 今井 隆, 杉山 俊幸
    2009 年65 巻3 号 p. 574-588
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     積層ゴム支承は引張り変形に対し比較的低荷重で破壊に至ることから,設計では回転により生じる局所的な引張変形を許容していない.このことが支承のサイズが増大する原因となっている.本研究では,天然ゴムを用いた積層ゴム支承を対象とし,ゴムの材料試験結果に基づいた支承の有限要素モデルを用いて,支承の回転限界を表す合理的な設計式を構築する.まず,材料試験を行い,ゴムの材料定数を同定し,膨張変形において弾性限界を表す力学特性を特定する.次に支承の有限要素モデルを用いて,様々な形状,載荷条件の下,回転変形における限界値を算出する.次いで解析結果から支承の限界回転角の設計式を提案し,現行の設計法との比較を行う.最後に積層ゴム支承の回転疲労試験を行い,提案した設計式の安全性を確認する.
  • 小池 武, 今井 俊雄
    2009 年65 巻3 号 p. 589-600
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     本研究は,検討対象として既設ライフラインシステムの地震防災投資を考え,性能設計法の観点から事業利害関係者(stakeholder)である事業出資者・事業運営者・設計者・施工者間で合意形成されるべき目標性能実現確率の決定法について論述したものである.ライフライン事業のライフサイクルにおける損益評価を行う指標として価値指標を導入し,その確率分布を基礎として目標性能実現確率と地震防災投資の間の相互関係を明らかにすることで,最適地震防災投資の合理的な設定手法を提示する.
  • ファム バン フック, 石原 孟
    2009 年65 巻3 号 p. 601-617
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     浮体式洋上風力発電システムを対象に浮体と風車の連成振動を考慮した時刻歴応答解析プログラムを開発し,風水洞実験と比較することにより高い予測精度を有することを示した.モリソン式は垂直コラムを有する浮体の鉛直動揺量を過大に評価するのに対して,Srinivasanらの実験値を採用することにより鉛直動揺量を精度よく予測できることを明らかにした.暴風時には水力減衰力が大きいため,空力減衰による低減効果が小さいが,発電時における空力減衰効果は浮体の動揺を低減させることが分かった.弾性変形が浮体の動的応答に大きな影響を与え,弾性変形を無視した動的荷重が過小に評価されることが分かった.波の非線形性が顕著になる50mの水深では,浮体の弾性モードと非線形波の高次成分との共振により浮体の動的荷重を増加させることを明らかにした.
  • 三木 千壽, 小野 潔, 横山 功一, 原田 隆郎
    2009 年65 巻3 号 p. 618-629
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     地方道を跨ぐ横断歩道橋の支柱で,支柱の全周の約半分に達する大きなき裂損傷が発見された.横断歩道橋でこのような重度のき裂損傷が報告された例は著者らの知る限りない.日本の横断歩道橋は昭和40年代に飛躍的に整備されたが,標準設計を適用して設計・施工された横断歩道橋も多い.よって,今回,重度のきれつ損傷が発見された横断歩道橋の鋼管支柱と同様の構造細目を有する横断歩道橋も存在し,同様の重度の損傷が発生する危険性もあるため,その原因を解明することは,同種の損傷を未然に防ぐ意味で非常に重要である.
     そこで,本論文では,破面観察,材料試験,応力測定等を行って損傷の発生原因調査,メカニズムの推測を行うとともに,き裂損傷の補強等の対策も行ったので報告するものである.
  • ~構造連成による不安定化効果~
    松本 勝, 松宮 央登
    2009 年65 巻3 号 p. 630-644
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     明石海峡大橋は建設の際,全径間モデルを用いた風洞実験が行われ,生じた連成フラッターの挙動は部分模型試験結果から予測したものとは少し異なるものであり,鉛直たわみ方向・ねじれ方向の2自由度に,水平たわみ方向も含めた3自由度連成フラッター解析の必要性が提唱された.しかし,水平たわみ振動によって生じる空気力は非常に小さく,その空力連成が生じるかという点に検討の余地が残されている.そこで本研究では,3自由度step-by-step解析,マルチモードstep-by-step解析を提案し,非定常抗力による水平たわみ振動に関する影響を再度検討した.その結果,水平たわみ振動は,空力連成ではなく,構造連成により生じる可能性を指摘することができた.また,その構造連成の影響を力学的に考慮し,2自由度の空気力の定義式を用いてモデル化した.
  • 林 正, 渡辺 力, 齋藤 道生
    2009 年65 巻3 号 p. 645-657
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     コンクリート床版などを有する複合橋梁構造物の全体解析を効率的に行うためのハイアラーキRC要素を提案する.本要素は,ハイアラーキ六面体ソリッド要素に鉄筋やPC鋼材などの補強鋼材を埋め込んだ要素であり,ソリッド要素の一般化変位を補強鋼材の変位関数に用いてソリッド要素内で補強鋼材の変位を級数展開することにより,補強鋼材配置位置での要素分割を必要としない.さらに,ソリッド要素内に多数の鉄筋を任意の方向に配置することができる.また,ケーブル要素を曲線鋼材に用いてプレストレスを導入することができる.
  • 杉本 博之, 一間 恵伍, 阿部 淳一, 古川 浩平
    2009 年65 巻3 号 p. 658-669
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     現在公共施設の点検は遠望目視が基本であり,部材ごとに評価される.そのデータをもとにして部材の劣化曲線などが推定され,補修順位が定められる.しかし,昨年発生したいくつかの橋梁の損傷あるいは落橋事例は,単に遠望目視の積み重ねだけでは,橋梁の安全性は保証されないことを示した.すべての公共施設の点検を近接目視に切り替えることは近年の財政状況では不可能であるが,現在の点検体制のもとで得られた部材レベルの情報から,施設の総合的な健全度を判定する技術の確立も必要と考えられる.そこで本研究は,現在北海道で行われている目視点検結果から,各施設の総合的な健全度をサポートベクターマシン(Support Vector Machine)により求めることを試みた.
  • 藤原 寅士良, 谷口 善則, 野澤 伸一郎, 渡邊 明之, 石橋 忠良
    2009 年65 巻3 号 p. 670-682
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     高架橋杭基礎の耐震補強工法として,地上部からの施工が可能で安価となる埋戻し土上にスラブコンクリート(基礎スラブ)を設置する方法(基礎スラブ工法)が提案されている.本工法では,設置した基礎スラブを杭(基礎スラブ杭)等により固定した場合,杭基礎に対する耐震補強効果が大きい点が確認されているが,基礎スラブ杭とフーチングの相互干渉により耐震補強効果が減少する点が懸念された.
     そこで,基礎スラブ杭とフーチングの水平力の負担割合に着目した遠心載荷模型実験を行った結果,基礎スラブを設置した場合,フーチングの水平抵抗力が高まり,フーチングに近接して基礎スラブ杭を設置した場合,互いの影響範囲の重複度に応じてフーチングの水平抵抗力が低減することを確認した.
  • 比江島 慎二, 向井 靖彦, 渡邊 恭
    2009 年65 巻3 号 p. 708-717
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     風や気温などの気象条件の空間的な非一様性や非定常性の影響を受ける屋外音場のより高精度な予測を実現するため,流れ場と音場の精密な連成項を考慮した空力音分離解法の基礎方程式にもとづく数値解析手法を構築した.解析精度や基本的な伝搬性状の再現性に関する検証のため,定常な気象条件および単純な地表面形状の下で解析した結果,有限領域から無限領域への音響伝搬を仮想的に実現するための無反射境界や地表面などの完全反射境界の処理が適切に機能することを確認した.また,風による移流効果や気温差による空気密度・音速の変化に伴う音の波長の変化を詳細に捉え,理論解に一致することなどを明らかにした.さらに,風上側で音の伝わりにくいシャドーゾーンなども再現することができた.
  • 土橋 浩, 寺島 善宏, 川田 成彦, 大竹 省吾, 山田 武正, 堀 宗朗, 今田 徹
    2009 年65 巻3 号 p. 718-737
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     首都高速中央環状新宿線では,本線シールドトンネルと出入口トンネルを接合することによりトンネル分岐・合流部を構築する工法が採用されている.接合部の構造は,鋼製セグメントの主桁をRC躯体に埋め込んで部材間の荷重伝達を図る大規模な複合構造である.荷重の伝達に関しては,接合部の構造形式,鋼製セグメントの仕様および埋め込み長の影響を明らかにすることが求められた.著者らは,接合部を対象にFEM解析や大規模な模型実験を実施し,部材間の軸力,曲げモーメント,せん断力の伝達機構を評価した.解析および実験結果から接合部の耐荷性能の照査方法を提案し,実証実験により照査方法の妥当性を確認した.
  • 山本 泰幹, 藤野 陽三, 矢部 正明
    2009 年65 巻3 号 p. 738-757
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     首都高速道路における長大吊構造系橋梁である横浜ベイブリッジとレインボーブリッジおよび鶴見つばさ橋では,建設直後から数多くの地震計を用いた集中的な地震観測が実施されてきている.本研究は,2004.10.23新潟県中越地震の際に3橋梁で観測された地震観測記録から推定した固有振動特性と加速度応答が,耐震設計に用いる動的解析モデルによってどの程度再現できるかを検討した.固有振動特性は,支承部における摩擦の影響を考慮しないと再現できない固有振動モードが存在した.加速度応答は,橋軸直角方向は応答レベルの違いはあるが,その周期特性は概ね再現できていた.しかし,橋軸方向は,観測記録には存在するが,動的解析モデルでは再現できない周期成分が存在し,その原因が,支承部の摩擦の影響にあることを明らかにした.
  • 吉田 郁政, 秋山 充良, 鈴木 修一, 山上 雅人
    2009 年65 巻3 号 p. 758-775
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     既設構造物の適切な信頼性評価を行うには劣化のメカニズムに関する知見をできる限り取り込むことに加え,各サイトにおけるなんらかの点検,検査データを有効に反映させることが重要である.そこで,現場位置で得られる観測情報から劣化予測に関わるパラメータの確率分布を更新し,それに基づき構造物の限界状態を超過する確率を算定する方法について論じた.Sequential Monte Carlo Simulation(以下SMCSと記述)に基づく更新のための定式化を示し,線形の簡単なモデルを用いてSMCSによる計算結果と理論解が一致することを確認した後,RC構造物の塩害劣化予測モデルのパラメタ更新,さらに3種類の限界状態超過確率の更新例を示した.
  • 鈴村 恵太, 中村 俊一
    2009 年65 巻3 号 p. 776-783
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     橋梁用亜鉛めっき鋼線の拡散性水素濃度に及ぼす,腐食レベルおよび導入応力の影響について研究した.鋼中の拡散性水素は,水素脆性と密接な関わりがあり,1570 MPa 級の亜鉛めっき鋼線の場合,拡散性水素が 0.6 ppm から水素脆化の兆候を示すことが報告されている.本試験では,実際のケーブルの腐食環境を再現した,湿ったガーゼを巻きつける方法で亜鉛めっき鋼線を腐食促進させて,腐食後のワイヤに吸蔵された拡散性水素をガスクロマトグラフィーで測定した.その結果,亜鉛めっき鋼線は,腐食の進行度に関係なく,また導入応力(500 MPa)を加えた状態で腐食させても,ワイヤの拡散性水素濃度は 0.2 ppm 以下であった.この結果から,亜鉛めっき鋼線は水素脆化の懸念が小さいと考えられた.
  • 西川 隼人, 宮島 昌克
    2009 年65 巻3 号 p. 784-796
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     本論文では計測震度と最大加速度のみ収集している自治体観測点を想定して,これらの地震動指標から地震動の周期特性を把握するために,実効加速度と最大加速度の比(最大加速度比)と地震動の卓越周期の関係を調べた.まず,最大加速度比と地震動スペクトルの関係を調べ,スペクトル形状と最大加速度比が関連していることを明らかにした.
     続いて,地震観測記録からフーリエスペクトルと速度応答スペクトルのピーク周期を求め,最大加速度比との対応を調べたところ,最大加速度比の変化が震度フィルターの形状と概ね対応していることが分かった.最後に最大加速度比と実効加速度をパラメータとする周期1~2秒の速度応答スペクトル評価式を提案し,単一の地震動指標の場合に比べて高い精度で応答スペクトルを評価できることを明らかにした.
  • 野田 辰徳, 久保 喜延, 木村 吉郎, 加藤 九州男, 大窪 一正, 吉田 健太
    2009 年65 巻3 号 p. 797-807
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     吊形式橋梁に風が作用すると空力弾性振動が発生する場合があり,空力弾性振動が発生し難い吊形式橋梁用桁断面の開発が必要である.そこで,空力的付加部材を使用することなく耐風性が得られ,かつ経済性に優れていると考えられる五角形断面桁に着目し,静止状態における各種風洞実験から五角形断面桁の静的空力特性およびその静的空力特性が底面傾斜角によって大きく異なるメカニズムに関する検討を行った.その結果,底面傾斜角が12°付近である場合に空力的により安定であることを示した.さらに,底面傾斜角が12°である場合,底面傾斜部の頂点からの剥離が14°の場合よりも小さく,底面での表面圧力分布が14°の場合とは大きく異なり,五角形断面桁の静的空力特性が底面傾斜角によって大きく異なることを明らかにした.
  • 五十嵐 晃, 樋口 匡輝, 家村 浩和
    2009 年65 巻3 号 p. 814-824
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/18
    ジャーナル フリー
     構造物の動的応答のアクティブ・セミアクティブ制御の問題において,絶対応答の低減を目標とする制御則として提案されているものに,スカイフック制御と負剛性制御がある.スカイフック制御則に基づき制御された制震デバイスの挙動には負の剛性が見られることがあるが,従来はこのような負剛性の値および効果の定量的な評価や制御則間の関連性等については論じられていなかった.本研究では,スカイフック制御と負剛性制御の間の近似関係を利用して制御間の対応パラメータ関係を求め,スカイフック制御に現れる見かけの負剛性の評価を行うとともに,負剛性制御における最適パラメータの算出法を提案した.また,実地震波入力を用いて,対応パラメータ関係の妥当性を検討した.
和文報告
和文ノート
  • 井田 剛史, 平野 廣和, 森川 卓保
    2009 年65 巻3 号 p. 568-573
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/17
    ジャーナル フリー
     2003年9月に北海道で発生した十勝沖地震で浮屋根等を有する特定屋外貯蔵タンクにおいてスロッシング現象が生じ,浮屋根の破壊,沈没,火災発生といった事故が発生した.これを受けて,液面のスロッシングに伴う浮屋根挙動の力学的特性の検証が始まり,実規模レベルのタンクによる検証の実施が求められている.そこで,本研究では実機浮屋根式タンクを用いて,スロッシング現象を発生させる一つの実験方法を提案するものである.タンク内に造波装置を設置し,エアシリンダーで造波装置をスロッシングの固有周波数に合わせて作動させることでタンク内部の流体全体を動かし,これによりスロッシング現象を発生させることを試みるものである.この結果,実機タンクにスロッシング現象を発生させ,かつ妥当な減衰を得ることができたのでこれを報告する.
  • 今川 雄亮, 栗田 章光
    2009 年65 巻3 号 p. 702-707
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     鋼・コンクリート合成桁橋が車両事故や不審火などにより火災を受けた場合,鋼桁やRC床版をはじめ,ずれ止めの損傷の有無も確認する必要がある.しかし今日まで,ずれ止めの火災後の力学特性は明らかにされていない.そこで,筆者らは,JSSC標準の押抜き供試体を300°C~700°Cで加熱し,自然冷却した供試体のスタッドに対して静的および繰返し押抜きせん断試験を実施した.その結果,300°Cでは大きな問題は生じないものの,700°Cで加熱したスタッドは,疲労強度が著しく低下することが明らかになった.本文では,この試験結果に基づいて,単純合成桁橋が火災を受けた場合のスタッドに対する疲労耐久性の照査を種々の条件下で実施した結果とその考察について報告する.
  • -因果性を満足する地震波の生成-
    野津 厚, 長尾 毅, 山田 雅行
    2009 年65 巻3 号 p. 808-813
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/20
    ジャーナル フリー
     想定地震に対する地震動の評価精度を高めることは地震災害対策を進める上で極めて重要な課題である.この点に関して著者らは経験的サイト増幅・位相特性を考慮した強震動評価手法の適用に関する研究をすすめており,震源モデルやサイト増幅特性の設定が適切であれば,本手法により既往の強震記録を再現できることを明らかにしてきている.しかしながら,これまでの方法には,ある時刻t0に対してt<t0で地震動が0となるような性質(ここではこれを因果性という)を満足する地震波を生成できないという問題点が存在していた.本稿では,グリーン関数を生成する手順の一部にスペクトルの平滑化を導入することにより,この問題点を解決できることを示す.
feedback
Top