抄録
首都高速中央環状新宿線では,本線シールドトンネルと出入口トンネルを接合することによりトンネル分岐・合流部を構築する工法が採用されている.接合部の構造は,鋼製セグメントの主桁をRC躯体に埋め込んで部材間の荷重伝達を図る大規模な複合構造である.荷重の伝達に関しては,接合部の構造形式,鋼製セグメントの仕様および埋め込み長の影響を明らかにすることが求められた.著者らは,接合部を対象にFEM解析や大規模な模型実験を実施し,部材間の軸力,曲げモーメント,せん断力の伝達機構を評価した.解析および実験結果から接合部の耐荷性能の照査方法を提案し,実証実験により照査方法の妥当性を確認した.