2014 年 70 巻 2 号 p. I_463-I_473
比抵抗による地下の可視化は物理探査等の分野で広く行われ,得られた比抵抗は変換式を通じて間隙比や飽和度に変換される.変換式にはArchieの式に代表される経験式が用いられるが,それらの適用限界は明らかではない上,式のみでは多孔質体内の水分分布状態をイメージすることは困難である.本研究では,比抵抗から地盤の状態を推定するためのツールとして,高精度多孔質体モデルを用いた数値シミュレーションを提案する.まずは豊浦砂とガラスビーズの各3次元モデルについて定常電流場解析を行い,実験結果と比較した.数値解析結果は実験結果とよい一致を示した.また,多孔質体モデルの飽和度を変化させて比抵抗を求め,数値解析結果と経験式を比較し,飽和度の観点から経験式の適用限界を推察した.