土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.17(特集)
粒子追跡法を用いた不均質帯水層における揚水井の集水域と汚染物質流入確率のアンサンブル推定
井上 一哉松山 紗希田中 勉
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 70 巻 2 号 p. I_51-I_62

詳細
抄録
本研究では,地下水揚水に伴う揚水井の集水域を後方粒子追跡法により効率的に推定する方法を提案した.また,面積と周長の推定に加えて,移流時間の等しい集水域同士をアンサンブル推定する方法を考案した.不均質透水場を対象に,サイトデータを基に不均質度の等しい100通りの透水係数分布を地球統計学的に発生させ,集水域を推定した.その結果,透水係数の不均質度と揚水量の増加は集水域分布の推定確率を低下させる方向に作用する結果を得た.また,ランダムウォーク粒子追跡法を用いて,移流時間の異なる集水域ごとに,集水域から揚水井に至る汚染物質の流入確率をアンサンブル推定した.その結果,低い揚水量ほど揚水井への物質流入確率は低下し,遅延係数の空間分布を化学的不均質性として考慮すると,流入確率はさらに低下する結果を得た.
著者関連情報
© 2014 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top