抄録
近年,構造材料において原料の調達から廃棄までのライフサイクルコストの最小化に基づく環境調和性の付加が求められている.本研究は,もみ殻灰および稲わら繊維を混和した酸化マグネシウム改良土の力学特性を,割裂破壊挙動の際に発生する弾性波の観点から評価した結果を報告する.実験的検討では,混和物を変化させた3つのシリーズにおいて割裂試験を行い,破壊過程をAE法および画像解析により評価した.検討の結果,もみ殻灰および稲わら繊維を混和することで,力学特性およびAE発生挙動に差異が確認された.AE法によるSiGMA解析および画像解析結果より,ひずみの局所化と,内部からの破壊の進行が示唆された.