抄録
本研究は,移動床水路実験において通水を止めることなく,時々刻々の水位と河床位の面的計測を可能とする計測手法を提案するものである.本計測手法は光切断法を基盤として,レーザーシートを水路横断方向に高速な往復運動をさせることで時空間方向に細密な離散間隔での水位と河床位の非接触計測を可能とする.本研究では開発した計測手法の妥当性を確認するために水路実験に適用し,河床波の物理機構の理解のために必要となる時空間的に連続していると見なせる水位と河床位の高密度計測が可能なことを明らかにした.この結果より,本計測手法は河床波の物理的特徴である水面と河床面に現れる3次元形状や非定常性を定量的に把握するために極めて有効となることが示唆された.