抄録
本研究では,デジタル画像を使用して計測対象物の変形を解析する画像解析手法の一つであるデジタル画像相関法の処理時間を短縮したアルゴリズムを提案することを目的としている.すなわち,デジタル画像相関法の作業の中の粗探査を行う際に形状関数を使用することで,粗探査の処理時間の高速化を図ることができるアルゴリズムである.圧縮荷重下でセメント系複合材料に生じるひずみの計測を試みた結果,全数探索型粗探査を使用した解析と比較し,提案した粗探査は,標点の探索時間を大幅に短縮できることを確認した.また,実施した解析により,セメント系複合材料の視認できない変形やひび割れの発生・進展を評価できることを確認した.