抄録
正弦波荷重下での線形粘弾性体の摩擦発熱について,一体型熱構造連成解析の枠組みを適用し,定式化を行った.平衡方程式と熱伝導方程式の弱形式を線形化することで,一体型連成による剛性方程式に必要な成分を求めた.本解析手法と,staggered法に基づく従来手法を,粘弾性ダンパーに関する笠井らの解析モデルに適用して,粘弾性ダンパー内の特定の位置における温度の時刻歴を解析し,手法の検証を行った.検証の結果,本解析手法では,時間増分を大きくした場合でも,時間増分を小さくした場合の温度時刻歴に対して,相対誤差を抑えることができることを確認した.