土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
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71 巻 , 2 号
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応用力学論文集Vol.18(特集)
  • 海野 進
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_3-I_10
    公開日: 2016/02/22
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    超深度マントル掘削計画“M2Mモホール”は,日米欧が協同で実施している国際深海科学掘削計画(IODP)の最重要課題の一つであり,日本が擁する地球深部探査船「ちきゅう」の能力を最大限に発揮することのよってのみ実現可能な巨大科学計画である.日本が中心となって推進する“M2Mモホール計画”は,深さ6 kmを越える海洋地殻を貫通して,人類史上初めて直接マントル物質を回収し,モホの実態と対流するマントルのダイナミクスを理解するとともに,水の起源と全地球規模の炭素循環を解明し,地下生物圏の限界を探ることを目的としている.科学的要請と技術的制約にもとづいてハワイ北方沖,コスタリカ沖,バハカリフォルニア沖の3カ所に候補地を絞り,その中から最終的な掘削地点を決定するために地下構造探査の準備を進めつつある.
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  • 斉木 功, 西井 大樹, 岩熊 哲夫
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_11-I_18
    公開日: 2016/02/22
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    スパンに比べて主桁間隔が大きい橋梁のフランジ上の曲げひずみは一様ではなく,せん断遅れのためにウェブ直上では梁理論の値より大きくなり,ウェブから離れるにつれ小さくなる.せん断遅れの解析は,せん断遅れによる変位の仮定を用いた解析的手法が開発され,変位を級数展開で表した解析的手法に発展し,現在では有限要素解析によって直接的に行われることもある.解析的手法と有限要素法では得られる精度や情報の量に大きな隔たりがあり,解析に要する手間も大きく異なる.そこで,せん断遅れの変位を,有限要素法を用いた均質化梁理論で精度よく求め,それを従来の解析的手法に組み込むことで,簡便かつ高精度な半解析的手法の開発を試みた.
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  • 東平 光生, 二階堂 拓
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_19-I_28
    公開日: 2016/02/22
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    本論文は三次元弾性波動場の近接場方程式に対して,特性関数を定義する散乱逆解析手法を展開する.方法論そのものはColtonとKirschによって展開されたリニアサンプリング法とその後FataとGuzinaによって導入された近接場方程式を用いる方法に基礎を置いている.この方法では,近接場方程式の解の発散の評価に必要とするコスト関数を用いる複雑な手続きが不要となる.そして,特性関数は近接場方程式に現れる作用素の特異値分解から容易に計算できることに特徴がある.本論文で展開した手法の有効性の検討は,三次元無限弾性波動場中の空洞ならびにクラックの検出問題を通して行う.
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  • 柳本 史教, 柴沼 一樹, 鈴木 克幸
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_29-I_38
    公開日: 2016/02/22
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    鋼構造において,脆性破壊は高速で伝播し,構造物全体に致命的な損傷を与える可能性が高いが,その支配方程式は明らかにされていない.近年では局所限界応力モデルに基づく検討が多くなされているが,それには亀裂先端近傍の応力や塑性ひずみの正確な評価が必要である.そこで本研究では有限要素法を用いた亀裂先端近傍場の性質の評価を実施するために動的2次元平面ひずみ問題を対象とした基礎的検討を実施した.まず,節点力解放法による動的亀裂伝播について弾性問題を対象とした検討を行い,適切な亀裂伝播のモデル化手法を明らかにした.さらに,降伏応力のひずみ速度および温度依存性を含む材料非線形性を考慮して系統的な動的亀裂伝播解析を実施し,従来未解明であった動的亀裂伝播の速度履歴や温度勾配が亀裂先端近傍応力に与える影響を明らかにした.
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  • 全 邦釘, 秋山 大誠, 真鍋 祐輔
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_39-I_47
    公開日: 2016/02/22
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    腐食鋼構造物の安全な供用,および的確な維持管理戦略の策定のためには残存耐力を適切に評価する必要がある.しかし特に座屈耐荷力に関しては研究が十分なされているとは言い難く,いくらか簡便な評価式が提案されているものの,それらも必ずしも多くはない座屈試験結果などから導き出されたものであり,基礎的なデータの蓄積が未だ必要な段階にある.そこで本研究ではまず座屈試験,および空間的自己相関モデルにより生成された数値的な腐食供試体モデルの有限要素解析により,データを蓄積した.そしてそれらの結果を用いて,表面形状特徴量を入力,座屈耐荷力を出力とするニューラルネットワークを訓練し,またその高い予測精度について確認した.
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  • 青木 大祐, 鈴木 森晶, 黒田 亮
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_49-I_58
    公開日: 2016/02/22
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    実物大矩形型貯水槽耐震性能向上に関して実験的検討を行った.スロッシング波高抑制対策として有効なフィルター設置の既設槽への適用を可能とするため,スロッシング波高抑制に及ぼすフィルターの設置形態・位置の影響について検討した.模型槽および3000, 2000 mmの立方体実貯水槽を用いて振動実験を行い,最大波高を測定した.
    その結果,模型槽で得られたスロッシング波高を低減する手法は,実貯水槽においても有効であることが確認され,フィルターの枚数に応じて最適な設置位置を明確にした.本方式はスロッシングのような長周期地震動に対しては波高・動水圧の抑制対策としては有効であったが,短周期地震動でのバルジング現象に対する動水圧の抑制は困難であった.
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  • 珠玖 隆行, 吉田 郁政, 山本 真哉, 田中 耕司, 藤澤 和謙, 野村 泰稔
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_59-I_70
    公開日: 2016/02/22
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    本研究では,既存の観測更新アルゴリズムの信頼性評価への適用性について,事後確率分布の推定精度に着目し検討している.代表的な観測更新アルゴリズムとしてParticle Filter (PF),Ensemble Kalman Filter (EnKF),Gaussian Mixture Filter (GMF),Merging Particle Filter (MPF),Markov Chain Monte Carlo (MCMC) method,Iterative Particle Filter with Gaussian Mixture Model (IPFGMM)に着目し,各アルゴリズムを2自由度せん断モデルにおける層剛性の事後確率分布推定問題に適用した.事後確率分布が単峰性および多峰性を示す2ケースの条件を設定し,事後確率分布の理論解と各アルゴリズムによる推定結果を比較した.事後分布が単峰性の場合,ほとんどの観測更新アルゴリズムで事後確率分布を精度よく推定できることを確認した.しかしながらEnKFでは,事後確率分布が単峰性であっても正規分布に従わない場合には推定精度が低いことが明らかとなった.EnKFやMPFでは多峰性を示す事後確率分布を推定することができないが,PF,GMF,MCMC,IPFGMMでは精度よく推定可能であり,その中でもIPFGMMが最も計算効率が高いことが明らかとなった.1回のシミュレーションの計算負荷が小さく多数のサンプルが確保できる問題であれば,実装の容易さからもPFを用いることが推奨されるが,少ないサンプル数で精度よく事後分布を推定したい場合は,計算手続きは増えるもののIPFGMMが推奨される.
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  • 吉川 仁, 寺沢 龍
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_71-I_78
    公開日: 2016/02/22
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    超音波を用いた定量的非破壊評価法への応用を見越して,対象物内部の散乱体の個数・形状・位置を同時に決定するスカラー波動を用いた散乱体決定解析について考える.複数の散乱体が存在する波動散乱場を数値的に求め,計測される散乱場との差からなる複数個の散乱体の境界を引数とする目的汎関数を導入する.この目的汎関数を最小とする複数個の散乱体を決定する.なお,散乱体の発生や消滅を考慮した決定解析を行うために,対象領域のトポロジーの変化を考える.目的汎関数のトポロジーの変化についての感度をトポロジー導関数とし,トポロジー導関数を用いた散乱体決定解析をレベルセット法を用いて行う.波動問題の数値解析には時間域の境界積分方程式法を用いる.数値例を解き,個数が不明な複数個の散乱体の個数,形状,位置を同時に決定した.
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  • 井上 一哉, 田中 勉
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_79-I_90
    公開日: 2016/02/22
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    本研究では,複数箇所からの揚水を伴う不均質地盤を対象に,揚水井の集水域境界を推定する方法を考案した.地球統計学的に30種類の透水係数分布を生成し,後方粒子追跡法を用いて得られた30種類の粒子群分布の座標情報をアンサンブルすることで簡便に集水域境界が推定できることを示した.また,揚水井に溶質が到達する領域を集粒域と定義して,ランダムウォーク粒子追跡法の応用により集粒域を確率的に推定する方法と揚水井への粒子到達時間の空間分布を推定する方法について考案した.揚水量と揚水位置を変えて集粒域確率を推定した結果,揚水量の増加ともに不確実性は減少することがわかった.本提案手法を用いて,単一の揚水井,あるいは,複数の揚水井に対する集粒域分布と平均到達時間の分布を同時に推定できることを提示した.
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  • 島本 由麻, 鈴木 哲也, 稲葉 一成, 森井 俊広
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_91-I_98
    公開日: 2016/02/22
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    AE法はコンクリート構造物のひび割れ損傷の進展同定に関する有効な計測手法である.本研究ではひび割れ損傷の発達したコンクリート水路橋を対象に,水流条件下での突発型AEの抽出方法を検討した結果を報告する.検討の結果,低水位時に検出波の周波数が高くなるとともに,バックグラウンドノイズの振幅値が大きくなることが明らかになった.有効な突発型AEの抽出方法はARモデルによるピーク周波数を用いることであることが示唆された.低水位時には,AIC法を加えることで,検出精度が向上することが示唆された.
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  • 西尾 真由子, 人見 淳
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_99-I_108
    公開日: 2016/02/22
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    既存橋梁の妥当なモデル化には,経年劣化によるモデルパラメータの不確定性を取り扱う必要がある.本研究では特に,橋梁支承部の腐食による機能劣化過程を対象とし,パラメータ事後分布を逐次計測データから推定し,その機能を評価してモデル妥当性を論じることの有効性を検証した.実験にて梁供試体の鋼支承部材の腐食促進を行い,各段階で静的載荷によりひずみデータを取得した.それらを用いて,梁供試体の有限要素モデルについて,各腐食段階でのパラメータ事後分布をベイズの方法により推定した.その結果,特に支承部の摩擦係数の事後分布にて,腐食促進に伴う支承機能の変化を捉えることができた.既存橋梁の妥当なモデル構築において,計測データを用いて推定するモデルパラメータの事後分布から劣化状態やその進展を考慮できる可能性を示した.
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  • 鈴木 哲也, 山岸 俊太朗
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_109-I_115
    公開日: 2016/02/22
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    コンクリート構造物の詳細調査には,一般的にコンクリート・コアの力学特性が用いられる.本報では,AE法とX線CT法を用いてコンクリート損傷度評価を試みた結果を報告する.実験に供試したコンクリート・コアは,凍害損傷が顕在化した開水路施設より採取したものである.ひび割れ損傷をX線CT法により同定した後に,AE法を援用した圧縮破壊過程の特性から損傷度を評価した.検出したAEは,コンクリート損傷と密接に関連し,AEレートプロセス解析により評価可能であることが明らかになった.ひび割れ損傷の特性は,空間統計パラメータを用いてX線CT画像から抽出した.その結果,ひび割れ損傷の蓄積は,空間統計パラメータとAE計測結果との比較から評価可能であることが明らかになった.このことから,コンクリート中に発達したひび割れ損傷の特徴量をX線CT画像の空間統計パラメータにより同定し,AEとの比較から損傷度評価が可能になるものと考えられる.
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  • 山岸 俊太朗, 鈴木 哲也
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_117-I_124
    公開日: 2016/02/22
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    X線CT計測はコンクリートのひび割れ損傷の同定と可視化に関する最も有効な手法の一つである.近年,既設コンクリート構造物の損傷度評価法の開発が急務な技術課題となっている.筆者らは,AE法とX線CT法を組み合わせたコンクリートの定量的損傷度評価法を提案している.本論では,X線CT画像の空間統計処理に基づくコンクリート中に発達したひび割れ損傷の特徴を定量評価することを試みた結果を報告する.実験的検討では,凍害損傷が顕在化したコンクリートを用いてX線CT計測を試みた後に力学試験を実施した.コンクリート損傷とは,一般的に圧縮強度や弾性係数の低下として定義されており,これら損傷パラメータと空間統計モデルの一つである集中度指標パラメータ(Cδ)との関連が考えられる.検討の結果,X線CT画像を用いることによりコンクリート損傷の定量評価が可能であり,ひび割れ損傷と損傷パラメータとの関連が確認された.このことから,X線CT画像の空間統計処理はコンクリート損傷の定量評価に有効であると推察される.
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  • 相川 明
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_125-I_136
    公開日: 2016/02/22
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    列車の衝撃荷重は,バラスト軌道内部を波動として伝わり,バラスト層特有の鉛直方向の固有振動を引き起こす.その固有振動がバラストの移動や流動などの劣化現象に関与するものと考えられているが,その実態が解明されていない.本研究では実軌道での動的応答測定,実物大軌道模型実験,および,バラスト形状を模擬した大規模有限要素法解析により,バラスト軌道の鉛直固有振動を同定した.有限要素解析において,共有節点により接触点を接続した場合は310 Hz近傍で鉛直方向の弾性振動が発生し,また,非引張ばねにより接触点を接続した場合は,弾性振動の約1/3の周波数でまくらぎが跳ね上がる剛体振動が発生した.解析結果は概ね実測値に符合していた.剛体振動の発生は大きな変位振幅をもたらし,バラスト劣化を促進する可能性がある.バラスト層の接触構造を改善し,バラスト層内部での連続性を確保することにより,剛体振動の発生を抑制し,バラストの劣化を低減できる可能性が示された.
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  • J. A. S. C. JAYASINGHE, M. HORI, M. R. RIAZ, M. L. L. WIJERATHNE, T. I ...
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_137-I_148
    公開日: 2016/02/22
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    Based on meta-modeling which allocates structural mechanics as mathematical approximation of continuum mechanics, we propose a consistent mass spring model (CMSM) for structural seismic response analysis; the consistency guarantees agreement of dynamic characteristics of CMSM with a solid element model. We develop a method of constructing CMSM and verify the method using a simple example. We apply the method to a part of highway bridge consisting of deck and a few piers. It is shown that the constructed CMSM has identical dynamic characteristics of the original model, and is able to estimate dynamic responses such as displacement and cross-sectional forces.
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  • 吉岡 秀和, 宇波 耕一, 藤原 正幸
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_149-I_160
    公開日: 2016/02/22
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    A numerical method for solving 1-D time-independent Hamilton-Jacobi-Bellman equations, which are referred to as 1-D HJBEs, is presented and applied to test cases for assessing its computational performance. An HJBE in this paper is a nonconservative second-order ordinary differential equation having linear diffusion and nonlinear drift terms. This paper applies a regularization method to the drift coefficient of the HJBEs, which helps well-pose the boundary value problems of the equations in the classical sense. A mathematical analysis on consistency errors between the solutions to the original and regularized HJBEs is performed. The derived results of the analysis show that the regularization method is mathematically consistent. The regularized HJBEs are solved with a Petrov-Galerkin finite element scheme, which is referred to as the PGFE scheme. The scheme is based on the fitting technique and is unconditionally stable for linear problems. Application of the scheme with the regularization method to the HJBEs with bounded drift coefficients demonstrates its satisfactory high computational accuracy. The optimal regularization parameter value as a function of the element size is then numerically identified. The computational results show that the PGFE scheme without the regularization method would fail to accurately capture solution profiles even if thousands of elements are used, which is not the case for the scheme with the regularization method even with hundreds of elements. Impacts of incorporating an adaptive re-meshing method, which is the moving mesh partial differential equation method, into the PGFE scheme are also assessed, demonstrating that it can enhance robustness of the scheme with regularization.
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  • 小林 賢司, 車谷 麻緒, 岡崎 慎一郎, 廣瀬 壮一
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_161-I_170
    公開日: 2016/02/22
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    本論文では,鉄筋コンクリート中における内部ひび割れの進展,および内部ひび割れを考慮した物質移動を3次元でシミュレート可能な数値解析手法を構築し,既往の実験結果との比較により本手法の妥当性およびその精度を検証する.内部ひび割れの再現には,コンクリートの破壊力学を考慮した損傷モデルとFEMによるひび割れ進展解析を適用する.ひび割れを考慮した物質移動解析には,損傷を考慮したFEMによる非定常拡散解析を適用する.数値解析例として要素サイズの異なるモデルにより,本手法は要素サイズへの依存性が低いことを示したのち,既往の実験を模擬した内部ひび割れ進展解析と物質移動解析を行い,内部ひび割れを有するコンクリート中の物質移動を精度良く解析できることを示す.
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  • 川勝 拓哉, 河井 克之, TIWARI Binod, 飯塚 敦
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_171-I_180
    公開日: 2016/02/22
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    近年,地球規模での気候変動により集中豪雨が発生し,毎年のように土砂災害を誘発している.また,降雨の範囲がきわめて局所化しているため,いつどこで災害が起こってもおかしくない状況である.減災のためには,土砂災害の前兆現象を察知することが有益である.しかし,前兆現象のひとつである発災前の異音や異臭というのは地盤工学の枠組みの中で十分には説明されていない.本研究では異音,異臭が地盤内の空気の挙動によって発せられているものと考え,土/水/空気連成有限要素解析によって,降雨が地盤内の空気の圧縮挙動に及ぼす影響を検討した.その結果,地盤内空気の圧縮挙動が境界の排気条件に大きく依存し,浸透挙動にも影響を及ぼすことが明らかとなった.
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  • 生野 達大, 橋本 学, 奥田 洋司
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_181-I_192
    公開日: 2016/02/22
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    正弦波荷重下での線形粘弾性体の摩擦発熱について,一体型熱構造連成解析の枠組みを適用し,定式化を行った.平衡方程式と熱伝導方程式の弱形式を線形化することで,一体型連成による剛性方程式に必要な成分を求めた.本解析手法と,staggered法に基づく従来手法を,粘弾性ダンパーに関する笠井らの解析モデルに適用して,粘弾性ダンパー内の特定の位置における温度の時刻歴を解析し,手法の検証を行った.検証の結果,本解析手法では,時間増分を大きくした場合でも,時間増分を小さくした場合の温度時刻歴に対して,相対誤差を抑えることができることを確認した.
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  • 野村 怜佳, 高瀬 慎介, 寺田 賢二郎, 森口 周二
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_193-I_201
    公開日: 2016/02/22
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    本研究では防潮林を多孔質体として近似し,その効果をマルチスケール数値実験によって評価する手法を提案し,広域における高潮・津波の被害予測シミュレーションを実施した.具体的には,枝木スケール(ミクロ)・樹木スケール(メゾ)の2つのスケールでのマルチスケール数値実験から,それそれのスケールにおける特性値を求め,防潮林を多孔質体で構成されるマクロ構造物であると近似し,その抵抗則を用いて解析を行うスケールアップ型のマルチスケール解法である.これにより,従来,防潮林の木々をモデル化した解析では適用が不可能であった広域での防潮林の減衰効果の検討が可能となる.
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  • 高瀬 慎介, 森口 周二, 寺田 賢二郎, 小山 直輝, 金子 賢治, 車谷 麻緒, 加藤 準治, 京谷 孝史
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_203-I_212
    公開日: 2016/02/22
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    本論文では,流体力による構造物の接触挙動および破壊挙動まで含めた構造物と流体の相互連成作用が考慮可能な安定化有限被覆法に基づく連成解析手法を提案する.具体的には,構造物は複数の剛体要素を結合することでモデル化する.剛体要素は,Cohesive modelを導入した個別要素法を用いることで構造物の接触挙動および破壊挙動を表現する.流体解析では,Phase-field法を用いて界面位置の計算を行い,また,安定化有限被覆法を用い,構造物と流体の接触界面位置を正確に表現し,構造物と流体の相互連成の計算を行う.本論文では,数値解析例を通して,本手法の解析精度や適用性について検討を行う.
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  • 鳥生 大祐, 牛島 省
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_213-I_222
    公開日: 2016/02/22
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    本研究では,圧縮性流体と固体の熱連成問題に対して,音速に基づくCFL (Courant-Friedrichs-Lewy)条件を大きく緩和することが可能な計算手法を提案する.なお,流体と固体の物性値の差は十分小さいと仮定した.この手法では,基礎方程式の圧力項を陰的に計算し,固体領域の流速に対して局所平均化操作を行う.この圧力解法に対して,特に新しい時刻の各変数が圧力計算の離散化式を満足するように,密度の更新と固体領域の局所平均化操作を行うという改良を加えたアルゴリズムを新たに提案した.提案された計算手法を用いて,熱伝導性を有する円形の固体領域を含む矩形キャビティ内の自然対流計算を行い,自然対流のように長時間の計算が必要な低マッハ数圧縮性流れにおいて,音速に基づくCFL条件に拘束されず高速な計算が行えることを確認した.
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  • 八重樫 優太, 吉岡 秀和, 宇波 耕一, 藤原 正幸
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_223-I_234
    公開日: 2016/02/22
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    This paper proposes and validates a numerical method based on the unconditionally stable dual-finite volume (DFV) scheme for Kolmogorov's forward equations (KFEs) in 1-D unbounded domains, which can be optionally equipped with a mass-conservative moving mesh partial differential equation (MMPDE) method. A KFE is a conservative and linear parabolic partial differential equation (PDE) governing spatio-temporal evolution of a probability density function (PDF) of a continuous time stochastic process. A variable transformation method is proposed for effectively solving the KFEs in 1-D bounded domains. Application of the DFV scheme to a series of test cases demonstrates its satisfactory computational accuracy, robustness, and versatility for both steady and unsteady problems. Impacts of modulating a parameter in the variable transformation method on computational performance of the DFV scheme are then numerically assessed. Advantages and disadvantages of using the MMPDE method are also investigated.
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  • 市川 智, 加藤 準治, 京谷 孝史
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_235-I_243
    公開日: 2016/02/22
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    本研究では,熱負荷および力学的外荷重が同時に作用する問題に対して,従来の研究で多く用いられているコンプライアンス最小化の問題点を指摘し,さらに同様の枠組みを保ちながら,より改善効果の高い新しいコンプライアンス最小化法を提案している.熱負荷による荷重は,構造の材料配置に依存して変化してしまう.そのため,剛性最大化は必ずしもコンプライアンスの最小化と等価にならない点を指摘している.また,複合材料を扱う最適化では材料パラメータの相関が無秩序となるため,一般に最適設計が困難となる.本研究ではこれを軽減するための方法について言及する.
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  • 西 紳之介, 寺田 賢二郎, 加藤 準治
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_245-I_254
    公開日: 2016/02/22
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    本研究では,面内周期性を有する複合板を対象として,そのマクロの力学的性能を最大化させるようなミクロ構造(面内ユニットセル)の最適材料配置を決定する手法を提案する.最適化問題の設定にあたり,マクロ構造には厚板要素を用い,ミクロ構造には3次元的広がりを持つソリッド要素を想定し,両スケールの境界値問題を解くことでミクロ構造の非均質性を反映した均質化板剛性を算出する.この均質化板剛性を用いて,マクロ厚板構造の剛性を最大にするトポロジー最適化問題を設定する.また,設定した目的関数に対する感度を解析的に得る手法を提示し,数値微分との比較により手法の信頼性を示す.そして,得られたユニットセルのトポロジーを提示することで,本手法の有用性を評価する.
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  • 古川 陽, 斎藤 隆泰, 廣瀬 壮一
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_255-I_266
    公開日: 2016/02/22
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    地中の岩盤は,その生成過程や封圧を受けることによって生じる配向性のき裂による異方性を有し,その間隙は流体で飽和していることが知られている.異方性飽和多孔質弾性体は,この様な岩盤の性質を再現することのできる力学モデルであるが,この力学モデルに対する数値解析手法の開発例は数少ない.この様な背景を踏まえ,本研究は異方性飽和多孔質弾性体の3次元弾性波動問題に対する周波数領域境界要素法の開発を行った.境界要素法の開発に必要な基本解は,独自に導出し,解析に用いた.提案手法を用いて入射波による散乱解析を行い,入射波の違いによる散乱波動場の変化を確認した.また,異方性の影響により,伝播方向に依存して散乱波の波長が変化する様子を確認した.
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  • 宮川 欣也, 浅井 光輝
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_267-I_277
    公開日: 2016/02/22
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    2011年の東北地方での津波被害以降,今後危惧される巨大地震に伴う津波に対する防災・減災の検討における一手段として,津波被害予測シミュレーションの高度化・高精度化が期待されている.津波解析の実務の現状としては,主に津波高や津波到達時間を予測することを目的とし,浅水長波の仮定を設けた平面2次元津波解析が用いられていることが多い.しかしながら,被害予測までを念頭に置くと津波遡上後の3次元性が卓越する状態までを解析することが要求されるため,ナビエ・ストークス方程式に準じた3次元津波解析を実施することが望ましい.そこで,差分法などによる平面2次元津波解析と3次元津波解析を連動することで,広範囲の津波伝搬予測に裏付けられた流入条件により,津波遡上現象を3次元で予測する試みが行われている.本論文では,3次元津波遡上解析を粒子法にて行うことにし,平面2次元津波解析結果,あるいは観測データなどの情報から,遡上域での3次元津波ズーミング解析を実施する際に有効となるマトリックスアレイ状仮想造波板境界処理法を提案した.
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  • Ozan C. CICEKCI, Lalith WIJERATHNE, Muneo HORI, Tsuyoshi ICHIMURA
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_279-I_288
    公開日: 2016/02/22
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    This paper presents two greedy scheduling algorithms for recovery of damaged lifeline network. Unlike genetic algorithms or simulated annealing, the proposed algorithms do not involve random processes. One of the algorithm is for assigning multiple heterogeneous engineers and prepare schedules for repairing independent damaged components, while the other is for finding repair schedule for a single engineer considering network constraint. Both the algorithms uses rate of benefit gain as an index in deciding which component should be repaired next by whom. The target application of these algorithms is to serve as an initial solution for a multi agent system which includes fine grain details. With numerical experiments, it is demonstrated that the proposed algorithms can find near-optimal repair schedules and solve problems involving large number of variables.
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  • Arafa M. A. IBRAHIM, Mohamed F. M. FAHMY, Zhishen WU
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_289-I_298
    公開日: 2016/02/22
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    This paper presents experimental results and numerical simulation of direct pull-out tests of basalt fiber reinforced polymer (BFRP) bars embedded in concrete. First, two patches of experimental pull-out tests are briefly descried. In the first experimental patch, the influence of surface texture configuration of BFRP bars on the bonding characteristics between BFRP bars and concrete is investigated through direct pull-out tests carried out on concrete cubes reinforced with BFRP bars. Pull-out test on ribbed steel reinforced concrete cube was also carried out for comparison. In the other experimental patch, pull-out tests were carried out on BFRP bars embedded inside pre-drilled holes into heavy concrete blocks. Through these pull-out tests, the efficiency of two different adhesive materials; namely: epoxy putty and polymer cement, and the effect of cross-section diameter of BFRP bars on the BFRP bar-concrete bond mechanism were investigated. Second, a finite element model (FEM) was employed to analyze the interfacial behavior between BFRP bars and the surrounding materials. Through the FEM, the influence of the tested parameters on the characteristics of local bond-slip models of BFRP bars was assessed by considering different material properties as well as different fracturing bond mechanisms. The experimental and numerical results showed that the bonding behavior of BFRP bars-reinforced concrete structures can be improved by treating the surface texture configurations of BFRP bars. In addition, the properties of the adhesive material between BFRP bars and concrete are key factors controlling the bond mechanism of strengthened concrete structures. Moreover, the proposed FEM was found to be capable of simulating the fracturing bond mechanism of BFRP bars.
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  • 丸山 泰蔵, 斎藤 隆泰, 廣瀬 壮一
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_299-I_310
    公開日: 2016/02/22
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    非線形超音波法とは,線形超音波法では特に検出が困難である閉口き裂に対して,有効な検査手法となることが期待されている手法である.高調波・分調波から成る非線形超音波は,き裂面での繰り返し打撃やせん断応力の変化によって発生するといった説が提唱され,高調波の発生メカニズムは概ね明らかにされてきた.一方,分調波は計測実験において確認されているものの,その発生メカニズムは未だ不明である.そこで,本研究では,様々な幾何学形状,及び配置のき裂に対して,き裂面の接触を考慮した場合における波動散乱問題の数値シミュレーションを実行することによって分調波発生現象の再現を行う.また,得られた分調波励起シミュレーション結果に対して,き裂を含む線形系自体が持つ周波数応答特性との関連性を踏まえ,発生要因に関する考察を行う.
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  • 岡村 理一郎, 吉川 仁, 高橋 徹, 樫山 和男
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_311-I_318
    公開日: 2016/02/22
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    本論文では,波動音響理論に基づく道路騒音の数値シミュレーション手法及びその可聴化手法の構築を行う.支配方程式として,非定常波動方程式を用い,離散化手法としては,外部問題に適している境界要素法を用いる.なお,時間域の境界要素法による大規模3次元非定常音場解析を可能とするため高速多重極法の導入を行った.数値解析例を通して,数値シミュレーション手法とインパルス応答を用いた可聴化手法の妥当性と有効性について検討した.
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  • 山田 貴博, 仲田 光秀
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_319-I_326
    公開日: 2016/02/22
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    局所的な力学挙動を含むはりの有限要素解析に対して,はり要素とソリッド要素を適切に接続することにより低コストで高精度な数値計算を実現する手法について考える.従来の多点拘束(MPC)法やペナルティ法による手法では,接続条件を変位のみで考慮していることから,ソリッド要素領域のはり要素が接続する境界近傍に不自然な変形状態が発生する.本研究では,このような問題点を改善する手法として,接続境界における応力ベクトルの連続性を考慮できるNitsche法の適用を提案する.提案する手法では,はり理論から計算できる応力分布をソリッド要素でモデル化された領域の接続境界における応力ベクトルとするものであり,ソリッド要素領域の接続境界近傍においてもはりとして自然な応力分布が再現される.
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  • Mahendra Kumar PAL, Lalith WIJERATHNE, Muneo HORI, Tsuyoshi ICHIMURA
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_327-I_337
    公開日: 2016/02/22
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    This paper presents implementation of higher order PDS (HO-PDS) in FEM framework (HO-PDS-FEM) to solve a boundary value problems involving cracks in linear elastic bodies. Further, an alternative approach based on curl free restriction to extend the current PDS is also presented. This alternative curl-free implementation is scrutinized and compared with a former proposal for HO-PDS whose derivative is not guarantee to satisfy curl free condition. Analysis of traditional plate with a hole problem shows that curl free implementation does not have any specific advantage. Further, techniques for modeling cracks in HO-PDS-FEM are presented. Comparison of two formulations with mode-I crack problem indicates that former proposed HO-PDS-FEM is superior to the proposed curl free formulation, and there is a significant improvement compared to 0th-order PDS-FEM.
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  • 西藤 潤, 春日井 健太, 小林 俊一
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_339-I_348
    公開日: 2016/02/22
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    下界定理に基づく剛塑性有限要素解析において,通常の三角形要素内で一定の応力場を仮定した場合,ロッキングが生じ崩壊荷重を実際よりも大きく見積もるという問題がある.ロッキングを回避するため,節点ベース要素の適用が考えられるが,問題の設定によっては崩壊メカニズムが正しく求められないことがある.そこで,本研究では新たに辺ベース要素の適用を試み,その有効性を検証した.数値解析例として,4つの問題を解き,通常の三角形要素,節点ベース要素,辺ベース要素によって得られる解析結果を比較した.その結果,辺ベース要素を用いた場合,拘束の強い問題においてはロッキングが生じるが,それ以外の問題では適用可能であることが分かった.
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  • 吉町 徹, 谷川 将規, 樫山 和男
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_349-I_357
    公開日: 2016/02/22
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    本論文では波動音響理論に基づく可聴化を含む騒音評価システムの構築に向け,インパルス応答解析手法の構築を行った.解析手法には解適合格子法を用いたCIP法を採用した.本手法では,入力波としてLubichによる擬似インパルスを採用することでCIP法でのインパルス波の高精度な伝播を可能とした.また,擬似インパルスを解析領域の境界から流入させる手法を実装したことで,音源付近のメッシュを必要とすることなく解析を行うことを可能とした.数値解析例として三次元波動伝播問題を取り上げ,理論解等との比較により本手法の妥当性について検討を行った.
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  • 渡邊 学歩, 赤松 良久, 入江 貴博, 小野 祐輔
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_359-I_368
    公開日: 2016/02/22
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    2013年7月28日に発生した山口・島根豪雨災害や近年の異常気象によるゲリラ豪雨に伴う洪水災害で,橋梁が倒壊する事例が頻発している.橋梁が倒壊すると長期にわたり地域住民の生活や全ての経済活動に大きな影響を与えるため,致命的な損傷を免れるべく対処が必要である.本研究では,その基本として橋脚への作用外力を適切に評価するべく,河川内橋梁の流体解析と橋脚への作用外力の評価を行った.橋脚への作用外力(流体力)が橋脚の上下流間の表面水位差と非常に大きな相関を有することから,橋脚への作用外力について,上下流間の表面水位差を指標とする評価式の構築を行ったので報告する.
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  • 柳生 大輔, 牛島 省, 鳥生 大祐, 青木 一真
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_369-I_378
    公開日: 2016/02/22
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    本研究では,3次元固気液多相場の解法(MICS)を用いて,水滴落下により生ずる個々の砂粒子の運動の数値計算を行った.本計算手法では,流体と砂粒子間の力学相互作用と砂粒子間の接触力が考慮されている.水滴の落下速度を変化させて,約3万個の砂粒子から構成される砂粒子群の挙動を計算した結果,既往の実験結果と同様に,水滴の運動量が増加するにつれて砂粒子の再配置によるくぼみ領域の体積が増大することを確認した.さらに,水滴形状を実験条件に近い回転楕円体とした場合には,くぼみ領域の体積が減少して実験結果に近づくことを確認した.最後に,並列化効率を調べた結果,400並列の計算速度は,25並列の場合の約8倍となり,本計算手法は多数の砂粒子の運動を計算する大規模計算に対して有効であることを示した.
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  • 青木 一真, 井唯 博吏, 牛島 省, 鳥生 大祐, 柳生 大輔
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_379-I_388
    公開日: 2016/02/22
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    津波や河川の氾濫によって生じる漂流物による被害は数多く報告されており,その挙動を予測することは防災上重要である.本研究では,非圧縮性多相場の数値解析手法MICSに対して,漂流物と地表面の接触力を評価するため,地表面との衝突判定や地表面形状の設定に改良を加えた.また,並列計算を行う際に計算機メモリを有効に活用するため,漂流物に関する情報を,全プロセスが共有するものと漂流物の移動時に通信するものに分割した.この手法を用いた数値実験を行い,構造物に対する流体力の算定や,津波防止工の有無による多数の漂流物輸送の計算を行った.本研究によって,多数の漂流物と衝突を伴いながら輸送される状況を計算できることが示された.また本計算の並列化によって計算効率が向上することが確認された.
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  • 野上 智隆, 浅井 光輝, 有川 太郎, Abdelraheem Aly Mahmound
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_389-I_398
    公開日: 2016/02/22
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    2011年東北地方太平洋沖地震では,津波により防波堤や防潮堤などの港湾施設が甚大な被害を受けた.防波堤や防潮堤の被災メカニズムに関するこれまでの研究・調査により,I. 防波堤前面と背面の水位差に起因して作用する水平力,II. 浸透流による捨石マウンドの支持力低下に伴うパイピング破壊,III. 防波堤の越流水ならびに目地で発生する流水による捨石マウンドの洗掘などが被災の主因として考えられている.本研究では,この中でもIII.の洗掘現象による防波堤の崩壊現象の解明に焦点をあて,まず基礎段階として,粒子法による滑動離脱過程を有する洗掘現象の解析法を提案した.解析手法には,安定化ISPH法を採用し,滑動離脱過程の判定としては河床変動等で用いられる流砂量式を用い,越流実験の再現解析を通し,その適用性と限界について考察した.
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  • 瀬戸内 秀規
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_399-I_410
    公開日: 2016/02/22
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    一次元単調圧縮下正規圧密砂の粒子破砕を考慮した応力-ひずみ構成則を砂粒子の骨格構造の振る舞いに立脚して開発した.「骨格構造弾塑性成分の対数間隙ひずみ勾配Δεesσ(領域I)と粒子破砕骨格構造崩壊成分の対数間隙ひずみ勾配Δεcσ(領域II)は,それぞれ圧縮応力σに対してべき乗則に従う」という現象論的に見出した仮定に基づいて応力-ひずみ構成則を誘導した.さらに,粒子破砕骨格構造崩壊に伴う砂の骨格構造低位化効果を記述するひずみの発展則(領域III)を粒子破砕骨格構造崩壊ひずみεcを内部変数に組み込んで提唱するとともに,実測との照合によりその適用性を実証した.広範のひずみ領域を記述できる本構成則は,既往の数値モデルの表現能力向上に資するものと考えられる.
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  • 林田 宏, 坂口 淳一
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_411-I_418
    公開日: 2016/02/22
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    本検討では,凍結融解作用により劣化したコンクリートの圧縮応力下における応力-ひずみモデルの構築を目的に,円柱供試体の圧縮試験結果に基づいた検討を実施して,応力-ひずみ関係式を提案した.まず,劣化程度が段階的に異なる円柱供試体を製作し,その圧縮試験を行って応力-ひずみ関係を求めた.本研究では,土木学会コンクリート標準示方書に記載された圧縮応力下におけるコンクリートの応力-ひずみ関係に,凍結融解作用によって生じる間隙が閉合することで生じるひずみを考慮する簡易なモデルを仮定した.モデル中のパラメータは,凍結融解作用により劣化したコンクリートの劣化指標として広く用いられている相対動弾性係数とした.凍結融解作用により劣化したコンクリートの実験結果との比較により,本検討で提案した応力-ひずみ関係が実験結果と概ね一致することを確認した.
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  • 小柿 響, 丸山 貴広, 堀越 一輝, 竹山 智英, 高橋 章浩
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_419-I_427
    公開日: 2016/02/22
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    地震時の堤防の液状化や越流による破堤の対策として堤防基礎地盤に設置される透水性鋼矢板の透水孔付近を対象に,浸透による内部浸食の進展過程について,実験的・数値解析的に調べた.数値解析では,浸透流によって浸食された細粒土は間隙水に取り込まれ,間隙流体としてふるまうと仮定し,その連続条件から得られる間隙流体中の細粒土濃度に関する移流方程式を解いた.本解析によって模型実験で観察された透水孔付近での細粒土の流出を概ね再現することができたが,実験で発生した細粒土による目詰まりについては,用いた浸食モデルでは,一旦間隙流体に取り込まれた細粒土が動水勾配低下時に再堆積する現象を考慮していないため,再現できなかった.
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  • 金澤 伸一, 橘 伸也, 飯塚 敦
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_429-I_436
    公開日: 2016/02/22
    ジャーナル 認証あり
    土構造物は安定性や変形特性の向上を目的とした締固め土で構成されている.しかしながら,近年突発的に増加している局所的豪雨や,台風に伴う集中豪雨により盛土の崩壊事例が数多く報告されているが,その要因分析に対する検討は十分になされていない.
    そこで本研究では,不飽和土/水/空気連成有限要素法解析プログラム(空気溶存・溶解型)を用いて,盛土構造物の施工時,供用開始後の降雨による盛土内の応力挙動の変化を解析的に表現し,さらに集中豪雨による盛土崩壊の要因分析に対する検討を行う.また,現在の盛土構造物の排水対策の能力を解析的に把握することで,その適用性を検討した.
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  • 森河 由紀弘, 田中 雄也, 前田 健一, 張 鋒
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_437-I_448
    公開日: 2016/02/22
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    近年,我が国には幾度となく大小様々な地震が来襲しており,液状化対策が施されていない構造物や地盤には深刻な液状化被害が発生している.そのような中,本研究では過剰間隙水圧の消散やせん断変形の抑制に着目した「地中連続排水壁」による液状化対策について検討を行った.本研究で検討する地中連続排水壁は従来の難透水性であるセメント改良土ではなく,高い摩擦性と排水性を有する地盤材料を用いた地中連続壁であり,重力場における振動台実験装置や弾塑性有限要素法を用いて対策効果やメカニズムに対する検討を行った.検討の結果,従来の透水性の低い地中連続壁に比べ,地中連続壁に排水機能を付加することによって構造物の傾斜量を大きく抑制可能であることが確認された.
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  • 山尾 敏孝, 井上 天
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_449-I_462
    公開日: 2016/02/22
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    一般的に,橋梁の補修を施す際には,他の部材や構造への負担を最小限にした対策が望まれる.更に,初期コストだけでなく耐用年数を考慮に入れたライフサイクルコストを重視した対策が望まれることから,負荷重量が少ないアルミニウム部材が橋梁の主要部材として注目されつつある.本研究では,道路橋として最も多く採用されている桁橋にアルミニウム材を適用した場合の有用性を検討した.スパン34.3mの標準的なRC床版-鋼主桁橋,RC床版をAL床版に取り替えたケースのAL床版-鋼主桁橋,鋼主桁を再設計し主桁高を約2割抑えたAL床版-再設計した鋼主桁橋,全部材にアルミニウム材を適用したAL床版-AL主桁橋の4モデルを対象に,静的・動的挙動を数値解析により明らかにし,比較検討した.更に耐荷力・重量・コストに注目し,アルミニウム桁橋の可能性について検討したものである.
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  • 野田 利弘, 山田 正太郎, 豊田 智大, 浅岡 顕
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_463-I_474
    公開日: 2016/02/22
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    横ずれ断層の活動時は,断層上部の地盤内部で深部から地表に向かって枝分れしたフラワー構造や地表面でリーデルせん断帯などが付随発生することが知られている.澤田・上田らが実施した大変形解析にならい,本研究では速度型の運動方程式を忠実に時間積分して土の運動を求める弾塑性有限変形解析コードGEOASIA®を用いて,横ずれ断層の運動に伴うせん断帯発生過程の再現を試みた.この結果,主として以下の事項が明らかとなった.1) フラワー構造・リーデルせん断帯が塑性膨張を伴って生成する.2) この生成には地盤に与える材料的初期不整の影響が大きい.3) 間隙比一定の地盤では,地盤の模型寸法が大きくなるほど地盤深部での正のダイレイタンシーの効果が薄れるため,せん断帯が出現しにくくなる.
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  • 鈴木 信太朗, 川口 貴之, 中村 大, 川尻 峻三, 山下 聡, 内島 典子
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_475-I_484
    公開日: 2016/02/22
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    寒冷地では冬季の地盤凍結に伴って様々な工学的問題が発生する.過去に起きたガス管の重大な破損事故でも古い種類のガス管だったことに加え,地盤の凍結で埋設管に作用する応力が増大したことや,除排雪作業の振動や荷重が大きく作用した可能性が指摘されている.また,寒冷地でも老朽化した水道管の更新コスト削減を目的とした浅層化も試みられている.しかし,周辺地盤の凍結で地盤内応力がどの程度変化するのかについて検討した例は極めて少ない.
    そこで本研究では,舗装路下にある水道管周辺の詳細な温度分布や常時の土中土圧,更には車両通過に伴う増加応力の季節変化を計測し,それらが地盤の凍結融解で変化することを明らかにした.また,車両通過による変化については,多層弾性理論を用いた応力解析によってある程度表現できることも分かった.
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  • 宮本 慎太郎, 安福 規之, 笠間 清伸, 石藏 良平
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_485-I_496
    公開日: 2016/02/22
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    繊維材料が土などの粒状材料に混入されることにより,靱性や強度の向上などの補強効果が表れることが知られている.繊維材料の種類や配合割合による補強効果の評価や,複合地盤としての変形性の予測を行う上で,繊維-粒子複合材料の構成モデルの構築を図ることは非常に重要である.本論文では,複合則をベースとした理論的アプローチにより,繊維-粒子複合材料の応力・ひずみ挙動のモデル化を試みた.本モデルでは,繊維材料と粒状材料の特性を複合化する際に,ひずみエネルギー増分の等価性を仮定することにより決定される応力分担テンソルを導入することで,繊維-粒子複合材料の応力・ひずみ関係を定式化した.また,繊維材料が補強効果を発揮する条件や,配向角度分布を評価する確率密度関数を導入することで,繊維材料の不均質性や異方性を考慮した.
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  • 三鍋 佑季, 川尻 峻三, 川口 貴之, 中村 大, 山下 聡
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_497-I_507
    公開日: 2016/02/22
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    締固めた地盤材料の含水比の増加に伴う工学的性質の変化を土の微視的構造によって考察した例は多い.しかし,過去の研究での土の微視的構造は力学試験挙動を解釈するためのツール的な役割であり,物理的な意味合いを持つパラメーターによる定量的な考察には至っていない.そこで本研究では,含水比を変化させて作製した砂質土を対象に一連の力学試験を行い,得られた変形・強度特性の変化をX線CTスキャンから取得した土粒子間サクションと配位数によって評価した.その結果,不飽和・飽和供試体の変形・強度特性の変化は,それぞれサクションや配位数の変化と整合する傾向にあった.このことから,締固め時の含水比を変化させた地盤材料の変形・強度特性が最適含水比よりも乾燥側の含水比で最大となることには,配位数が関与していることを見出した.
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  • 松原 成志朗, 寺田 賢二郎
    71 巻 (2015) 2 号 p. I_509-I_520
    公開日: 2016/02/22
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    ガラス状態における熱可塑性樹脂は,微小変形域で粘弾性的に振舞い,分子鎖の摩擦抵抗に起因する粘塑性による擬似的な降伏挙動を経て,大変形域では粘塑性流れ方向に分子鎖が配向することが原因となる配向硬化現象を示す.さらに,粘弾性特性として持続変形下では応力緩和現象を示し,完全除荷後では変形の戻りを示す.このような材料挙動を表現するために,本研究では粘弾性と粘塑性の複合構成則を提案する.また,大変形域に特徴的な配向硬化現象は粘塑性変形に陽に依存するゴム弾性理論に類似の背応力を設定することによってそれを定量的に評価することを目指す。さらに,熱可塑性樹脂は温度依存性が非常に強いため,力学作用に対する材料自身の自己発熱現象を熱力学的定式化による材料モデルの構築によって同時に定式化する.このとき,弾性変形による散逸が生じない超弾性構成則に基づく理論展開を行うことで定量的に評価が可能な発熱量の算出を行い,高分子材料特有の大変形能に対応させる.本提案モデルの性能や特徴は,いくつかの数値解析例を通して検証する.
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