抄録
一般的に,橋梁の補修を施す際には,他の部材や構造への負担を最小限にした対策が望まれる.更に,初期コストだけでなく耐用年数を考慮に入れたライフサイクルコストを重視した対策が望まれることから,負荷重量が少ないアルミニウム部材が橋梁の主要部材として注目されつつある.本研究では,道路橋として最も多く採用されている桁橋にアルミニウム材を適用した場合の有用性を検討した.スパン34.3mの標準的なRC床版-鋼主桁橋,RC床版をAL床版に取り替えたケースのAL床版-鋼主桁橋,鋼主桁を再設計し主桁高を約2割抑えたAL床版-再設計した鋼主桁橋,全部材にアルミニウム材を適用したAL床版-AL主桁橋の4モデルを対象に,静的・動的挙動を数値解析により明らかにし,比較検討した.更に耐荷力・重量・コストに注目し,アルミニウム桁橋の可能性について検討したものである.