抄録
繊維材料が土などの粒状材料に混入されることにより,靱性や強度の向上などの補強効果が表れることが知られている.繊維材料の種類や配合割合による補強効果の評価や,複合地盤としての変形性の予測を行う上で,繊維-粒子複合材料の構成モデルの構築を図ることは非常に重要である.本論文では,複合則をベースとした理論的アプローチにより,繊維-粒子複合材料の応力・ひずみ挙動のモデル化を試みた.本モデルでは,繊維材料と粒状材料の特性を複合化する際に,ひずみエネルギー増分の等価性を仮定することにより決定される応力分担テンソルを導入することで,繊維-粒子複合材料の応力・ひずみ関係を定式化した.また,繊維材料が補強効果を発揮する条件や,配向角度分布を評価する確率密度関数を導入することで,繊維材料の不均質性や異方性を考慮した.