抄録
東京大学地震研究所において開発した統合地震シミュレータ(Integrated Earthquake Simulator,IES)を用い,都市モデル(香川県高松市)に対して過去に観測された地震波を入力し,構造物応答解析を行った.さらに,その結果を基に地震による被災を想定した都市モデルの作成及び被害状況を可視化させるシステムを構築し,避難行動シミュレーションに適用させた.避難行動シミュレーションの結果,被害の有無,あるいは被害状況の違いによって避難行動,避難時間に変化が見られた.また,被害状況の可視化システムを導入したことで,被害状況を把握しやすくなり,被害状況と照らし合わせたシミュレーション結果の議論・評価をする上で有効であることが判明した.