2015 年 71 巻 2 号 p. I_655-I_666
本論文では,不飽和土の簡便な繰返し弾塑性構成式を組込んだ,土骨格-間隙水-間隙空気を対象とした動的な浸透-変形連成解析手法を用いて,盛土の堤体自身が液状化することで地震被害を受ける事象を対象とした数値解析を行った.まず,盛土堤体の液状化発生を模した模型振動台実験を対象とした解析を行ったところ,実験の盛土の挙動を再現することができ,手法の妥当性を検証するとともに,解析における不飽和状態の適切な考慮が重要であることが明らかとなった.次に,実際の鉄道盛土を想定した一連の解析を行ったところ,十分な締固めが行われていない液状化強度の低い既設盛土では堤体での液状化の発生に起因して,設計での盛土の許容沈下量を上回るような変形が生じる可能性があることがわかった.