抄録
農業用排水用パイプラインとして使用されるたわみ性管は,地震時の地盤のせん断変形により斜交方向に変形するが,その変形挙動は未だ解明されていない.本研究では,外径140mmと150mmのたわみ性管を対象に繰返し単純せん断実験および2次元DEM解析を実施し,地盤のせん断変形がたわみ性埋設管の変形挙動に与える影響について検討した.実験結果から,地盤のせん断変形時において,鉛直・水平方向のたわみ量よりも,斜交方向のたわみ量が卓越し,地盤密度が大きいほどその傾向は顕著になることが明らかとなった.DEM解析によって,せん断ひずみに対するたわみ量の関係を精度良く再現していることを示した.また,地盤のせん断変形時に,たわみ性埋設管の斜交方向に地盤の接触力が作用することによって,管が変形することが明らかとなった.