2016 年 72 巻 2 号 p. I_179-I_186
本研究では,著者らが提案した圧縮性流体と固体の熱連成計算手法を鉛直配置された水平2円柱周りの自然対流に適用した.この計算手法では,圧縮性流体と固体から構成される場を1つの混合流体としてモデル化し,流体領域の流れと固体内部の熱伝導を統一的に扱う.また,圧力の計算段階を陰的に行うことで,低マッハ数の圧縮性流れを高速に計算できる.なお,基礎式のモデル化を行う際には,流体と固体で密度と比熱に大きな差がないと仮定している.以上のような計算手法を鉛直に配置された温度一定の高温2円柱周りの自然対流に適用し,実験結果との比較から,得られた温度分布の妥当性を確認した.また,熱伝導性を有する円柱が内部発熱する条件で数値実験を行い,円柱の熱伝導率の影響を反映した妥当な温度分布が得られることを確認した.