2016 年 72 巻 2 号 p. I_247-I_255
本論文では,著者らが提案した数値実験手法をRCはりに適用し,実験結果の破壊挙動の再現性を検証する.この解析手法は,鉄筋の材料モデルにvon-Mises塑性モデル,コンクリートの材料モデルに修正von-Mises損傷モデルを適用し,鉄筋の幾何形状まで反映させた有限要素モデルを用いることで,RCはりの破壊力学挙動を3次元で詳細に再現できる方法である.この解析手法を,せん断補強筋の異なるRCはりに適用し,同条件の実験結果と比較することにより,構成モデルや材料パラメータを変えずに,せん断補強筋のモデル化の違いのみで,実験と同様の曲げ破壊とせん断破壊を定量的に再現できることを示す.