2016 年 72 巻 2 号 p. I_265-I_276
バラスト道床のYoung率の空間的ばらつきが軌道振動解析結果に及ぼす影響について,スペクトル確率有限要素法に基づく軌道振動解析法を用いて検討した.車輪・軌道系の連成振動解析モデルは,はり・ばね・質点系のモデルをもとに,バラスト道床のみを2次元動弾性連続体でモデル化し,スペクトル確率有限要素法により離散化した.なお,軌道振動解析においては,バラスト道床の動的応答を数値Green関数を用いて考慮した.さらに,バラスト道床区間左右端からの不自然な反射波の発生を簡易な方法で抑制する目的で,粘性境界を構成し導入した.振動解析では,バラスト道床のYoung率の変動係数10%相当のばらつきを想定し,この空間的ばらつきとバラスト道床沈下の発生源外力であるまくらぎ・道床間作用力,軌道パッドの作用力,軌道系の振動を励起するレール・車輪接触力の変動量との関係について検討した.