土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.19(特集)
二粒径構成河床における反砂堆と礫集合体形成に関する一考察
溝口 敦子土屋 幸宏森 勇輔
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_549-I_556

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抄録

山地河道の階段状河床形状,Step-poolの定義は研究者によって異なり,形成過程等を踏まえた整理が必要と考える.通常のStep-poolは大礫がStepを形成し形状を決めるものであり,長谷川らは横断方向に列をなして礫が集積し落差が少ないTransverse ribsをStep-poolとは区別し定義している.著者らは状況によっては礫の集合体が瀬淵構造またはStep-poolになると考え,まずTransverse ribesに近い状況での礫の集合体形成過程の検討,砂の流出後の表層状態の確認を行う.特に,山地河道における礫の集積形成過程を明確にするため,実験で反砂堆と礫の集合体の形成について調べた.
まず,礫の集合体形成には遡上反砂堆がかかわる実験例ともに,進行方向で礫の集積の仕方が異なることを示した.そのうえで,砂礫の比率を変えた河床を用いて遡上反砂堆の形成実験を土砂供給をしながら行うことにした.実験では特に各粒径の流送形態がどのように変化するなどを詳細に調べ,混合率によって砂が流出した後の礫の集合体の形成状況が異なることなどを明らかにした.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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