2017 年 73 巻 2 号 p. I_223-I_232
メタモデリング理論は連続体力学と整合したモデリングを行う理論であるが,主に支配方程式の導出に注目されており,異種部材の接触条件や接合部の取り扱いは未検討であった.本研究は,メタモデリング理論を拡張し,接触条件や接合部を適切に扱えるようにする.具体的には,接合部のソリッド要素モデルをバネ・ダッシュポットの非線形モデルに縮約する手法を構築する.この手法を橋梁構造物の支承に適用し,その有用性を検討する.本研究で考案された非線形モデルの縮約方法は,材料・形状・構成にかかわらず,多種多様な接合部に対しても原理的には適用可能である.さらに,バネのみでなく,ダッシュポットに拡張することも可能である.縮約モデルの適用範囲を安全率によって明確にできる点も特徴であり,適用範囲外ではソリッド要素解析が用いられることが望ましい.