抄録
本論文では,著者らが開発したRC部材の数値解析手法を並列計算が可能な手法へと拡張し,大規模破壊シミュレーションの適用性を検討する.大規模な解析モデルでも高速に解析を実行するため,解析プログラムに領域分割法に基づくプロセス並列化を適用した.並列数を変えて計算時間を比較した結果,解析の計算効率の向上が確認できた.また,実規模のRC部材で発生する細かなひび割れまで詳細に再現するためには,小さなメッシュで構成された解析モデルを用いる必要がある.そこで,RCはりの異なる破壊モードに対してメッシュサイズの依存性を検証し,力学挙動やひび割れ進展挙動をメッシュサイズにほとんど依存することなく再現できることを示した.