2018 年 74 巻 2 号 p. I_315-I_326
衝撃荷重載荷時におけるアラミド繊維製棒材(AFRPロッド)を下面埋設して曲げ補強されたRC梁の動的挙動特性を適切に評価可能な数値解析手法を確立することを目的に,分布ひび割れモデルを適用することを条件にコンクリート要素の軸方向要素長を可能な限り小さくし,簡易な引張破壊エネルギー等価の概念を適用する三次元弾塑性有限要素法を提案し,その妥当性を別途実施した重錘落下衝撃荷重載荷実験結果と比較することによって検討を行った.その結果,提案の解析手法を適用することによって,1) 入力エネルギーが大きい場合を除き,AFRPロッド補強RC梁の重錘衝撃力,支点反力および載荷点変位波形をほぼ適切に再現可能であること,2) ひび割れ分布やロッドのひずみ分布に関してもほぼ適切に再現できること,などが明らかになった.